研究課題/領域番号 |
18K00515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
鷲見 朗子 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (20340466)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アラビア語 / 写本 / ジェンダー / アラビア語写本 / アラビアンナイト / 千一夜物語 / 枠物語 / イスラーム / 百一夜物語 / 仏教 |
研究成果の概要 |
千一夜物語と関係があるとされる百一夜物語の枠物語の中で、ミソジニー(女嫌い)に隠されたミサンドリー(男嫌い)の要素を明らかにすることを目的とした。この枠物語と、漢訳大藏經中の仏教物語及び千一夜物語の枠物語との関係性を精査した結果、ミソジニーは女性登場人物の夫に対する裏切り、そしてミサンドリーはそれを受けて女性に復讐する男性登場人物の残虐行為に見られた。仏教とイスラームの宗教的背景が物語解釈に影響を及ぼしたことが確認された。写本研究では、これまで所在がわからなかったルネ・バセ所有の百一夜物語写本が、ライデン大学図書館所蔵の写本と同一であることを証明し、写本校訂と方法論を概ね確定することもできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では「男」に着目することで、ミソジニーの下に隠れたミサンドリーのテーマを浮き彫りにした。広く読まれている千一夜物語において、特に女性だけでなく男性のジェンダーの描かれ方を見直すことで、社会における男性への見下しというミサンドリックな側面への注意を促すことにつながる。写本研究では、これまで所在不明とされてきたルネ・バセ所有の百一夜物語写本が、ライデン大学図書館所蔵の写本と同一であることを示した。ライデン大学所蔵写本は不完全(68夜まで)ではあるが、枠物語は完全に掲載されている。したがって、この研究成果は、写本の比較研究をはじめ、百一夜物語の形成過程の究明に学術的意義をもつといえる。
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