研究課題/領域番号 |
18K00532
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松江 崇 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90344530)
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研究分担者 |
戸内 俊介 二松學舍大學, 文学部, 教授 (70713048)
野原 将揮 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80728056)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 揚雄『方言』 / 東斉方言 / 甲骨文・金文 / 量詞 / 苗瑶語 / 上古音 / びん語 / 出土文字資料 / 出土資料 / 通仮 / 単位詞 / 介詞 / 殷代中国語 / 中古漢語の疑問文末助詞 / 海昏侯墓『論語』 / 上古漢語の否定詞 / 上古再構音の蓋然性 / 上古漢語の咽頭化声母 / 上古漢語 / 疑問文末助詞 / 否定詞 / 円唇母音 / 甲骨文 / 古代中国語 / 中国語方言 / 中国語文法史 |
研究実績の概要 |
松江は、揚雄『方言』を資料とし、漢代の東部北部方言の生成過程について、方言語彙の分布の偏差を手がかりに、通時的変遷の過程を推定する研究を行った。具体的には、『方言』以前では、北燕方言と朝鮮方言とが一体をなしており(A方言)、東斉海岱方言はその西部の秦晋までの方言と近い関係にあったが(B方言)、A方言の西部(北燕地域)がB方言の影響を受け、またB方言の中部が南部に隣接する方言の影響を受けた結果、『方言』が示す漢代の状況が出現したと推定した。以上の成果は国際学会・海外での招待講演などで公表した。 戸内は、殷代から東周時代の中国語のうち、特に殷周の言語的違いを研究するために、甲骨文、西周金文を中心に言語研究を行った。殷代中国語の研究成果としては、ICSTLL-55において、中国語の量詞(類別詞)の起源について「殷商漢語数量表達研究―兼論漢語個体量詞的来源」のテーマで口頭発表を行った。また西周金文に見える方言を研究するために、金文資料を中心に言語分析を行い、その段階的成果として「見於西周金文的方言」という研究発表をWorkshop: Chinese Language and its surroundingsにて行った。 野原は、学会発表として「説「稲」与「襄」」、「漢語借詞?:苗語中的“穗子”和 “袋子”」、「一个表示{圓}的詞族」をそれぞれ発表した。研究論文として「《漢簡語彙考證》訂補(四):訊」、「構擬上古音*Kr-:以《安大簡》「luan」為例」、「びん語中来自*m.r-和*ng.r-的来母字」、Old Chinese “egg”: More evidence for consonant clusters、「略談“非”的上古音及相關問題」をそれぞれ発表した。秦簡通仮例については令和5年度以降に発表するほか、上記学会発表の内容も令和5年度以降にそれぞれ学術雑誌に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により延期となっていた国際ワークショップを開催し、有益な議論をすることができた。また、それぞれが科研のテーマと関係する研究を深化させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究の総括として、今まで発表してきた成果を整理し、有機的に結びつけた上で、提示していくことに注力することが必要と考えられる。
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