研究課題/領域番号 |
18K00534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 幸誠 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 准教授 (30397517)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 類型論 / 認知言語学 / ユピック・エスキモー語 / 体言化 / 補文 / 言語学 / フィールド言語学 / 認知類型論 / 名詞化・体言化 / 指示詞 / エスキモー諸語 / 中央アラスカ・ユピック語 / 名詞化 / 機能類型論 / ユピック語 / 能格性 / エスキモー語 / 捕文構造 / Central Alaskan Yup'ik / 補文化 / 対照研究 |
研究実績の概要 |
今年度はコロナ禍の影響で予定していたアラスカでのフィールドワークができず、実地調査による研究の進展は叶わなかった。しかし、インフォーマントとは、主にメール(やSNS) を通じて定期的にやり取りを行い、延長していただいた来年度夏そして冬にしっかりとした調査ができるように準備を進めている。その一方で日本において本研究のサポートとなる文献調査は大きく進めることができた。特に、音韻面での関わりに関して本研究の弱い面であったが、その点に関して基礎的な研究を進めることができた。本研究は理論と調査が一体化して価値があるものであり、日本においては理論的・文献的な調査を進めることに三年した。論文としては「Profile からみたPhonologization -認知言語学的視点からの音韻記述に関する「橋渡し」的考察-」『英米研究47』pp.39-58) を執筆した。これはユピック・エスキモー語を機能主義・認知言語学の観点から包括的に(音声・音韻も含めた形で)記述する上で大変重要な部分に関する補足的考察を進めたものである。また、ユピック・エスキモー語と同系のイヌイット語を比べた場合、前者においてアクセントの体系が複雑で、後者では簡素化される問題がある。この点に関して本科研研究においてもプロソディと捕文の関係をはっきりさせる必要があり、音韻的な理論的研究にも時間を割いた。ユピック・エスキモー語には関しては来年度のフィールド調査を行い実証的に研究を進める必要があるが、その前段階として、日本語においても同じような現象がみられ、そのことに関して、シカゴ言語学会59回大会においてTwo Barriers for Osaka Japanese Learners: A Usage-Based Phonology Perspectiveというタイトルで発表を行った(松浦幸祐氏との共同発表)。コロナ禍明けのフィールワークに向けて準備の一年となったが、フィールドワークができないなりにさまざまな知見を得ることに努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「やや遅れている」と判断した理由は、やはり、本科研研究の最大の目的である実地調査が3年間コロナの影響でできていないことにある。しかし、アメリカにおいても日本においてもコロナは終息した(特別な入国措置等が必要なくなったこと/受け入れ先の人たちにとってもコロナの問題がクリアできていること)ことを踏まえて来年度はしっかりした調査ができることが期待され、これまでの分も含めて十分な調査を行いたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度8月と12月(下旬)そして3月(中下旬)に現地調査を予定している。現在日本で準備している研究の妥当性を現地でインフォーマントの調査を通じて考察したいと考えている。確かに、3年間フォールド調査に出かけられなかったことは大変痛い問題であったが、その分日本で補足的な研究を十分に行った。特に、音声・音韻的な部分の考察も本研究に取り入れられる見通しがついており、より包括的にインフォーマント調査ができること予定している
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