研究課題/領域番号 |
18K00536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
金子 真 青山学院大学, 文学部, 教授 (00362947)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 冠詞言語と無冠詞言語 / 等位接続 / 限定詞 / 累加複数と結合複数 / 類別詞 / 指示的均質性 / 固有名詞 / 伴連れ代名詞構文 / 複数性 / inclusory construction / coordinated whole / 代名詞 / 不定表現 / 否定 / 責任性 / 肯定極性項目 / 付加詞 / 等位接続構造 / (無)冠詞言語 / 日仏対照言語学 / determination / plurality |
研究成果の概要 |
本研究ではまず次の2点を確認した:(1)仏語の指示的名詞句は通常冠詞を伴うが等位接続構造では無冠詞が許容される;(2)日本語と異なり仏語では等位接続名詞は数詞・限定詞を一つだけ伴う場合容認度が低い。そしてこれらの現象を説明するため、仏語のような冠詞言語では名詞の限定がもっぱら名詞句内で行われるため指示対象のメンバーの均質性が要求されるが、日本語のような無冠詞言語では名詞の限定は名詞句外の要素が担うためそうした制約は課されないと提案した。さらに日本語の数詞が等位接続名詞と容易に結びつくのは類別詞により均質性が保証されるためであり、一方仏語では均質性を得るため名詞自体が類別詞として働くと主張した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では仏語と日本語において冠詞の有無と相関して指示詞、複数形の働きと統語構造が異なることを示し、日仏対照研究および冠詞言語と無冠詞言語の違いについての研究を進展させた。また等位接続構造に注目することにより、固有名詞の名付け用法 (例:3人の太郎)・換喩的用法 (例:3冊の漱石)と普通名詞との間の関係について新たな知見をもたらした。更に固有名詞が等位接続される場合、メンバーの一体性を強調するため仏語で定冠詞が、日本語で複数接尾辞が剰余的に用いられる(例:les Tom et Jerry;トムとジェリーたち)ことを指摘し、特別な意味効果を狙う際日本語と仏語の間に意外な共通点があることも示した。
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