研究課題/領域番号 |
18K00541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2021-2022) 滋賀県立大学 (2018-2020) |
研究代表者 |
小熊 猛 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (60311015)
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研究分担者 |
金 智賢 宮崎大学, 多言語多文化教育研究センター, 准教授 (40612388)
井筒 勝信 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70322865)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ダイクシス / 空間指示詞選択 / 人称指示 / 発話事象概念 / 対称詞による発話者自称指示 / 独白 / 発話参与者分離 / 心理的距離用法 / 指示詞 / 動的要因 / 方向性 / 身体性 / 語る自己 / 語(りかけ)られる自己 / 人称指向 / 距離指向 / 方向性要因 / Monologic Deixis / Deixis / Demonstratives / Speech Event Conception / Reflexive Speech Event / 指示表現 / 指示詞選択 / 認知類型論 |
研究成果の概要 |
話者・聴者と指示対象との静的位置関係では説明できない指示詞及び人称詞選択に関して〈心理的距離〉や〈聴者視点〉という概念で理論的説明が試みられてきた。非規範的空間指示詞選択には,指示対象と話者が「近づく・離れる」という〈動的〉要因,指示対象が話者の視線に正対するか否かという〈方向性〉要因が関わり,心理的距離用法と呼ばれる特異な指示が嫌悪から「仰け反る」「後退る」といった身体性に根ざす可能性を指摘した。 また,英語及び韓国語は発話者が自らを〈鼓舞〉ないしは〈叱責〉する独白文脈で二人称(対称詞)による話者自称指示を広く容認するが,この背後には発話参与者分離の概念操作が関わると論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
英語の近称・遠称の指示詞選択が、指示対象が話者に「近づく・離れる」といった「経路」に関わる〈動的〉要因ならびに〈方向性〉要因の影響を受けやすい一方で、日本語の近称・遠称の指示詞選択は、静的な位置関係によって決まる傾向が強いことが映像提示実験から示唆された。日本語の中称指示詞「そ」は人称指向と距離指向の空間ダイクシスの範疇化を併せ持つとする向きもあるが,英語と同様に基本的には距離指向の体系であると捉えることが可能であり,日英vs.韓という指示詞の括りが可能であるという考え方を示した。一方で,二人称による独白話者自称指示からは,英韓vs. 日という括りが可能であることを指摘した。
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