研究課題/領域番号 |
18K00556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
松尾 歩 神戸女学院大学, 文学部, 教授 (20593578)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 第一言語習得 / 名詞優位 / 動詞優位 / ダウン症 / 母語の発達 / 母語発達 / 語彙獲得 / 言語発達遅滞 / 言語発達遅滞児 / 自閉症スぺクトラム / 言語習得 |
研究成果の概要 |
日本語を母語とするダウン症児童を募り、被験者として45人が集まった。選考注視法を使った実験を行い、健常児のデータと比較すると、健常の3歳児は名詞優位の段階を経て動詞優位の段階に移っているのだが、ダウン症児の言語発達において名詞優位の現象が現れるのはおよそ3年の遅れがあった。その一方で、健常児と知的障害児のあいだにタイミングは差はあるものの、両グループとも語彙獲得において、同じバイアスを使用すことが明らかになった。また、パペットを使った選考注視法の調査をダウン症児に初めて実施し、分析可能なデータを収集できたことは大きな一歩と考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究で明らかになったように、ダウン症児は精神年齢が36ヶ月以上の児童(19名)が名詞優位のプロセスを使用しており、36ヶ月の精神年齢に満たない児童にはそのようなバイアスを発見することができなかった。36ヶ月より年齢の高いダウン症児には顕著な名詞優位が見られたことから、語彙の構築に必須だとされる名詞バイアスの使用の遅れが、ダウン症児の言語発達の遅延の説明となりうることが理解できる。この調査での言語構築プロセスにおける名詞優位の発見内容を踏まえて、言語習得の初期にダウン症児が名詞優位のバイアスを使用できるような療育に発展させ、ダウン症児の言語発達を促進することができれば、社会的意義となる。
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