研究課題/領域番号 |
18K00583
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
滝浦 真人 放送大学, 教養学部, 教授 (90248998)
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研究分担者 |
椎名 美智 法政大学, 文学部, 教授 (20153405)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ポライトネス / ベネファクティブ / 敬語 / 敬意漸減 / 表敬と品行 / イン/ポライトネス / 授受表現 / 東アジアの語用論 / ポライトネス意識 / 日本語の近代 / 東アジアの対照敬語論 / 日韓中対照語用論 / (イン)ポライトネス / 授受表現(ベネファクティブ) / 通時的変化 |
研究成果の概要 |
過去150年ほどの日本語に表れた人々のポライトネス意識の変遷を、敬語および授受動詞(の補助動詞用法[ベネファクティブ])に探った。いずれにおいても、日本語の敬語的な語が宿命的に被る「敬意漸減」の作用が見られ、ベネファクティブでは他者指向的な「テクダサル」から自己呈示的な「テイタダク」への大きなシフトが、敬語でも従来型の3分類的な他者指向的な類型から5分類で加えられた自己呈示的な(へりくだりの)類型へのシフトが推定された。そこから、人々のポライトネス意識も、他者指向から自己呈示への流れの中にあるものと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「「させていただく」症候群」と言われるような、特定の形式の偏重とも見えるような現象があるが、本研究の成果によって、それは一時の流行といったことではなく、ベネファクティブや敬語全般における「敬意漸減」の作用の結果、ある種の必然として生じている結果であることが推定された。ベネファクティブでは「してあげる/さしあげる」や「させてくださる(ください)」といった形式が使いにくくなったこと、敬語では従来型の尊敬語や謙譲語よりも、自己謙遜的な丁重語が選好されていることが要因となり、雪崩を打つように「させていただく」へと流れ込んでいると考えられた。このことは同時にポライトネス意識の表れでもあると結論された。
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