研究課題/領域番号 |
18K00587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
新井 学 成城大学, 経済学部, 准教授 (20568860)
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研究分担者 |
馬塚 れい子 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (00392126)
大石 衡聴 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (40469896)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 抑制制御 / 実行機能 / 眼球運動 / 事象関連電位 / 読み時間 / 解釈不成立 / 眼球運動測定 / 視覚世界パラダイム / 干渉抑制 / ガーデンパス文 / 意味逸脱 / 予測処理 / 抑制機能 / 予測的眼球運動 / 言語理解 / 文処理 / 予測 / 読み / 言語発達 |
研究成果の概要 |
構造的曖昧性を含む文の理解において処理負荷が起こる理由として、「予測エラー」と「意味逸脱」という異なる要因を想定し、抑制機能が後者の意味逸脱に直接的に関係しているという仮説を立て検証した。結果として、意味逸脱を含む予測エラーでは、誤解釈における実現可能性を確率的に評価することができず、意味のある解釈を生み出そうと誤分析に固執し、結果として大きな処理困難が起こることを明らかにした。また、この処理困難の大きさと被験者(成人と子供)の実行機能の能力との間に有意な関係性が見られたことから、抑制制御の能力が高い人ほど、解釈が成立しない誤分析の処理が容易であったことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
実行機能の一つである抑制機能は学習・発達、また言語の機能において重要な役割を担っている。言語の理解における抑制機能の役割を正確に把握することで、子供の言語能力の発達過程において弊害となる要因、また成人の言語理解において処理困難を引き起こす要因の解明に繋がるため、その知見は言語の習得・発達・学習全般の理解において非常に有益であると考えられる。本研究では、曖昧性を含む文の誤分析において解釈が成立しない意味逸脱が存在する場合、確率を正しく見積もることができず処理困難が生じ、その誤分析への固執を抑え正しい解釈を採択するためには抑制機能が必要とされることを明らかにした。
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