研究課題/領域番号 |
18K00589
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 北海道大学 (2019-2023) 早稲田大学 (2018) |
研究代表者 |
原 由理枝 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (60802668)
|
研究分担者 |
折田 奈甫 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70781459)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 文末表現 / 条件文 / 疑問文 / 証拠性 / 因果関係 / 理由節 / モダリティ / イントネーション / 事象関連電位 / 文末助動詞 / 構成意味論 / 語用論 / バイアス / 可能世界意味論 / 歴史言語学 / 進化ゲーム理論 / 構成性の原理 / 左方周辺部 / 形式意味論 / 神経言語学 / コーパス研究 / 談話構造 / 感情表現 / 構成性意味論 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトは、条件文、疑問文、モダリティと密接に関わる助詞、助動詞、イントネーションなどであらわされる談話標識と言語行為の意味解釈の形式化とその語用とのかかわりを探求するものである。当該年度は、これまでの実験結果の理論的分析の執筆と公開、また理論を類似した言語現象に応用させる研究の準備に従事した。 まず、日本語の文末助動詞ダロウ、イントネーションおよび疑問をあらわす終助詞の統語と意味の分析をした論文が、Natural Language and Linguistic Theoryから2023年7月に刊行された。現在本論文内の脚注で言及した、ダロウカの形式がイントネーションによっては「クイズ疑問文」となる現象についてもうひとつのクイズ疑問文となる形式である「カ疑問文」とあわせて直観を記述し、形式意味論の観点から分析する論文を執筆中である。 また、条件節と理由節の統語と意味構造の違いについて、2023年6月に開催された第48回関西言語学会 シンポジウムで発表した。モダリティを節内に含みうるかどうかをてがかりとして、英語の態度副詞、中古日本語や初期新高ドイツ語の理由節から条件節への歴史的意味変遷、日本語の2種類の因果関係を表すコト節のデータから、モダリティを含むことができる理由節は統語的に大きく、意味的には抽象的であり、モダリティを含むことができない条件節は統語的に小さく、意味的には具体的であるというものである。 また初年度に実施した証拠性とモダリティのコーパス研究と脳波計測実験で得られた知見をもとに、ヨウダとモダリティの非対称性が、意味的違反と語用的違反の違いを反映しているとする理論を検証するためその他の証拠性やモダリティを表す助動詞を用いて実験と日本語の条件文の意味論と容認度判断テストを用いた心理学的実験の研究を行う準備を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
育児休業とコロナ禍で一旦中断された実験などを再開するのが困難であった上、研究代表者が、教育業務と学内運営業務に多くのエフォートを費やさざるを得なくなった。
|
今後の研究の推進方策 |
延期していたヨウダとダロウの自己ペース読文実験や、その他の証拠性やモダリティを表す文末助動詞の容認性判断テストと自己ペース読文実験を行い、意味と語用の直観のちがいとは何かという言語哲学的な問いを探究するプロジェクトに発展させていきたい。
|