研究課題/領域番号 |
18K00595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
藏藤 健雄 立命館大学, 法学部, 教授 (60305175)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 情報構造 / 量化 / ロバ文 / 主題 / 脱焦点化 / 動的意味論 / 存在量化解除 / 形式意味論 / 条件文 / アバウトネス / 量化構造 / 量化副詞 / 非対称量化 / かき混ぜ規則 |
研究成果の概要 |
本プロジェクトを通じて、「主題のハ」とよばれるハ句に対して新たな統語的・意味的知見を得た。具体的には、「ハ」自体に主題を示す機能があるわけではなく、主題解釈は統語構造の特定の位置(領域)で行われることと、「ハ」の機能は脱焦点化であり、焦点領域である動詞句の外で認可されるという結論に至った。この主張は、量化副詞を伴う日本語条件文ロバ文において、後件で用いられる「それは」が必ず量化副詞の束縛標的となるという事実(これは本研究で得られた新たな事実である)から支持される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「すべて」や「たいてい」のような量化表現の解釈は文構造だけでなく情報構造にも影響をうける。本研究では情報構造と量化の関係を従来とは異なる視点から解明することを目指した。具体的には「若手芸人がヤクザ映画に出演するとたいていそいつはすぐ殺される」のような文の「そいつは」は量化副詞「たいてい」に束縛される解釈が可能で(=ヤクザ映画に出演するたいていの若手芸人はすぐ殺される)、その場合主題とは解釈されないことを観察した。その結果、「ハ」自体に主題機能があるのではなく、焦点領域にないことが課される要素であると分析すべきであることがわかった。この成果は理論研究と応用研究の両面において貢献するものである。
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