研究課題/領域番号 |
18K00601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東京学芸大学 (2021-2023) 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 (2018-2020) |
研究代表者 |
吉田 夏也 東京学芸大学, 教育学部, 研究員 (60316320)
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研究分担者 |
北原 真冬 上智大学, 外国語学部, 教授 (00343301)
白勢 彩子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00391988)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 無声化 / 心内処理 / 視線計測 / 日本語 / 母音 / レキシコン / 無声化母音 / 言語処理モデル |
研究成果の概要 |
無声化が生起しにくい音声環境で無声化が起きている刺激を作成し、語彙性判断実験をおこなって反応速度を計測したところ、通常の音声に対する反応時間と有意な差が見られなかった。この結果からは、無声化母音が心内辞書には記載されずに音声処理過程の後段階で発生している可能性が示唆された。 さらに、視線計測装置を利用して実験中の被験者の視線軌跡を分析した。その結果、上述の刺激では、時間の経過にともない目標画像に視線が集中する傾向が見られた。通常音声に対する話者の視線軌跡も同様の傾向を示すことから、無声化母音が心内辞書に記載されていないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
無声化母音が生起するメカニズムに関して、基本的な問題である言語処理のどの段階で生起しているのかという問いに対して、これまで一致した見解が受け入れられているとは言いがたかった。処理の初期段階である心内辞書に無声化母音が記載されているのか、それとも辞書には記載がなく処理の後段階である発声機構をコントロールする段階で受動的に生起しているのかという基本的な問題すら明らかになっていなかった。本研究によって、無声化母音は心内辞書に記載があるとは言えない結果が得られたことで、この現象をどのレベルであつかうべきかという未知の基本的問題の解決に貢献したと考える。
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