研究課題
基盤研究(C)
平安時代後期から鎌倉時代における日本撰述の仏教漢文について、原本調査に基づく文体特徴の解明を行った。とくに、談義聞書である『打聞集』について、和化漢文体を用いる教釈的文脈と漢字片仮名交じり文体を用いる説話的文脈が見られることに基づき、文章内容と表記様式・文体とが相関を見せる言語的位相の実態を明らかにした。また、説話の和化漢文において、古辞書に見られない訓が加点される実態を記述し、古記録類とは文章の目的、利用のあり方が異なる説話和化漢文の言語の特徴を明らかにした。
本研究の特色は、これまで日本語史料としての実態が明らかにされてこなかった資料群を対象としていること、文章内容による分類が加えられることの多い和化漢文について、言語活動の実態と言語事象の相関性を明らかにすることで、文体範疇を再構築しようとすることにある。本研究によって、仏家が直接間接に関わった文章について、その成立の背景や周辺諸文体との関連性を解明するための新たな視点を提示することが可能となる。本研究を踏まえた上で仏家の範疇を越えた周辺資料との比較研究を行うことにより、仏教漢文が日本語書記の歴史に与えた直接間接の影響関係について、より明確に捉えることが可能になると考える。
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言語の普遍性と個別性
巻: 13
令和三年度高山寺典籍文書綜合調査団報告論集
巻: R3 ページ: 81-85
ことばとくらし
巻: 32 ページ: 19-21
巻: 11 ページ: 1-13
120006823009
令和元年度高山寺典籍文書綜合調査団報告論集
巻: 令和1年度号 ページ: 118-122
http://researchers.adm.niigata-u.ac.jp/html/100000729_ja.html