研究課題
基盤研究(C)
国内外における複数のカトリック・コミュニティーでの調査から、明治時代から高度経済成長期まで、長崎のカトリック信者が国内外に移住することとなった社会経済史的背景(教会所在地域の経済的困窮、太平洋ベルト地帯の都市化・工業化とそこへの人口流入、戦後のエネルギー政策の転換、炭鉱の閉山、等)及び宗教的確信に基づく南米移住(南米諸国はカトリック国であり、自由にカトリック信仰ができることを理由とする移住、等)について明らかにすることができた。そして、左の事由から国内外に多くの長崎系カトリック・コミュニティーが成立し、これを背景として、各地で先祖伝来の信仰生活・宗教生活語彙が維持されてきたことを明らかにした。
戦前から高度経済成長期を通じて国内外への移住を繰り返した長崎出身カトリック信者の宗教生活語彙を記述した本邦初の研究である。当該社会集団に限らず、高度経済成長期には全国各地から太平洋ベルト地帯への移住が行われたが、これに伴う言語変化については研究の蓄積がなく、本研究はその嚆矢となった。また、厳しい生活の中で日本の近代化を支えた地方出身者、南米に渡り病院も学校もない状況から現地の人々と協働しつつ理想的・模範的なコミュニティを創り上げた方々の生活語を記録する営みは供養言語学・鎮魂言語学と呼称でき、生産性や経済の原理ばかりが重視される現代社会において、人間の尊厳を守るうえで、意義あることと考えられる。
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