研究課題/領域番号 |
18K00625
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
上野 和昭 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10168643)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 和字正濫鈔 / 和字大観鈔 / 漢字三音考 / 契沖 / 文雄 / 本居宣長 / 伊勢貞丈 / 石原正明 / 能楽伝書 / 謡曲伝書 / 平曲伝書 / 金春禅竹 / ニ松軒 / 名目鈔 / 洞院實凞 / 後水尾院 / 小浜市立図書館 / 四声観 / 新式声点 / 訓漢字 / 振漢字 / 四声 / アクセント / 国学 / 仮名遣書 |
研究成果の概要 |
室町期以降、日本における四声観(アクセント観)は、鎌倉期以前のそれとは異なるものであったことが言われてきた。本研究は、四声認識の変遷を追い、そこにいかなる音調認識の継承や変容、あるいは展開があったかを明らかにしようとしたものである。仏教の声明には鎌倉期以来の伝統的認識を継承したものがあり、公家社会には、たとえば『名目鈔』所載の声点にうかがえるような、「平声」を下降調ととらえる新しい四声認識があった。江戸期の本居宣長は、このふたつの流れを継承しながら、当時の中国語(浙江音)にもとづく文雄の四声観を批判したようにみえる。これらのことは、現代的の一般的な音調観では捉えきれないものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、文献資料による日本語アクセント史研究は現代的な四声観(音調観)にもとづいて考察されることが多かった。しかし、かかる文献を著した人々には、それぞれの四声認識があったはずで、その認識にもとづいて文献が記されているのであるから、まずは彼らの拠って立つところを明らかにしたうえで、アクセント史も記述しなおされなければならない。とくに室町期以降の文献資料を、鎌倉期以前のそれと同じように扱ってはならない。このようなアクセント観の史的研究は、かつて前田富祺によってなされたことがあったが、本研究において、これをあらためて取りあげ、問いなおしたところに本研究の学術的意義がある。
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