研究課題/領域番号 |
18K00626
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
村井 宏栄 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40610770)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 日本語書記史 / 中世漢字片仮名交じり文 / 片仮名文 / 重点 / 親鸞遺文 / 方丈記 / 三宝絵詞 / 漢字片仮名交じり文 / 踊り字 |
研究成果の概要 |
中世漢字片仮名交じり文において同仮名の連続は、多く補助符号たる重点(「ヽ」)を以て示される。本研究では次に示す文献群を取り上げて重点用法を検討した結果、次の結論を得た。(1)親鸞遺文においては自立語語頭では同字反復を、同語中尾では重点を用いる傾向が認められ、分節機能と一貫性の高さを評価できる。(2)大福光寺本『方丈記』では文位置に関わらず重点が多く用いられ、(1)とは全く異なる傾向を指摘できる。(3)①漢字―仮名比率、②重点状況、③仮名遣いの3点について検討した結果、観智院本『三宝絵詞』においては(1)(2)と比するに方針の徹底は認めがたいが、代わりに仮名大小の対立が分節機能を補助している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、平仮名文献の世界では、13世紀頃から語頭における重点の使用が次第に姿を消し、このことは異体仮名の使い分けを促進させる契機となったと論じられてきたが、片仮名文献における重点用法の実態については注目されてこなかった。親鸞関連文献の同音連続においては、徹底的に文節頭は同仮名反復し、逆に大福光寺本『方丈記』においては位置によらず同仮名反復を避けて重点を用いるという用法実態を実証的に示したことなど、今後の中世日本語書記史解明への発展が期待できる。
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