研究課題/領域番号 |
18K00649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 奈良教育大学 |
研究代表者 |
米倉 陽子 奈良教育大学, 英語教育講座, 准教授 (20403313)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 文法化 / 言語変化 / 構文 / 進行形 / 受益者受動構文 / 英語進行形 / 構文化 / 格体系 / 語用論的マーカー / 言語変化の要因 / 近代英語 / as if 句 |
研究成果の概要 |
本研究では,英語迂言的進行形 (be + V-ing)と受益者受動構文の近代英語期以降における拡大の解明に構文文法がどのように寄与するのかという問題に取り組んだ。迂言的進行形については,この構文が最近,感情状態動詞との共起を許しつつある現象に絡めて,その発達は「結果指向」へ向かう潮流という,より大きな文脈で捉えるべきと主張した。受益者受動構文については,前期近代英語期のコーパス調査を行い,構文が芽吹く際には,十分な使用頻度に支えられたチャンクの存在が役割を果たしうることを示した。他のゲルマン言語の該当構文との比較も行い,受益者受動の拡大は与格標示衰退だけに帰されうるものではないことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,英語迂言的進行形の比較的新しい用法と受益者受動構文の通時的発達の分析を通して,言語変化のメカニズム解明に貢献したことにある。 まず迂言的進行形の発達については,進行形だけに着目するのではなく,英語の時制・アスペクト体系と言う,より大きな文脈で言語変化を考えなければならないことを示した。 次に受益者受動構文の発達については,この構文の受益者項が,「付随的参与体を表す存在から事態に必要不可欠な参与体を表す存在へ」という変化を経たことが重要である。構文中のある参与体が担う意味役割の変化は,単なる与格標示の喪失だけでなく,構文そのものの意味変化と言う文脈での分析の必要性を示した。
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