研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、Chomsky (2013, 2015) が提唱するラベル付け理論において、(i)標準的な主語位置に現れる非名詞句・非主格句が機能主要部Tとどのようなagreementを行うのか、(ii)動詞句内に残る主語・主格名詞句はどのようにして距離的に離れている主要部Tとagreementを行うのか、を明確にすることである。(i)については、素性継承の結果、話題素性のagreementもしくはphi素性に関する部分的なagreementがあることを示した。(ii)については、距離的に離れている2要素間でも同一位相内であればC統御に基づきagreementが行われるという結論を導いた。
標準的な主語位置に現れる要素は機能主要部Tとagreementが必須であるとされているにも関わらず、英語の倒置構文や日本語等の与格主語構文については、この点に関して深い議論がなされていなかった。また、これらの構文は、以前は盛んに議論されていたものの、近年は研究の対象から外され、以前ほど着目されなくなっていたのも事実である。本研究は、そのような構文に再度、焦点を当てた上で、agreementを中心にラベル付け理論の精緻化を行ったものである。本研究の成果は、統語論研究、特にラベル付け理論を用いた今後の生成統語論研究の発展に一定の寄与ができるはずである。
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Universal Grammar and Its Cross-linguistic Instantiations: Proceedings of the 12th Generative Linguistics in the Old World & the 21st Seoul International Conference on Generative Grammar
巻: workshop & poster ページ: 527-534
JELS
巻: 36
40021932059