研究課題/領域番号 |
18K00746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
清水 義彦 富山県立大学, 工学部, 准教授 (90548322)
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研究分担者 |
岡崎 浩幸 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (20436801)
加納 幹雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (70353381)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 英語教育 / 総合的な探求の時間 / 探究活動 / 海外との協働授業 / ICT活用 / 海外交流学習 / 動機付け / 意識変容 / 学内外の協力体制の構築 / 学習指導要領 / 授業モデル / 小中校一貫モデル / 海外交流授業モデル / 小・中・高校一貫型モデル / 英語教科書連動型海外交流学習 / 動機づけ |
研究実績の概要 |
研究命題である「日本の若者の国際競争力を高める」というゴールに向かって、科研費事業として11年目を終えた。科研費事業3本目という位置づけである。1本目の平成24-26年度基盤研究Cでは参加校は6校(内訳:小学校1、中学校2、高校3)、2本目の平成27-29年度基盤研究Cでは参加校は10校(内訳:小学校2、中学校4、高校4)であった。今回の3本目の参加校は令和5年度末で、30校(内訳:小学校11、中学校9、高校10)と参加校は増えている。コロナ禍で3年余り、事業も計画通りにいかなかったがこの参加校の伸びは、本事業のニーズが高まっていることを示している。オンライン授業の有効性への認知が高まり、この事業の方向性は間違っていないことを行政が示してくれた。その1例が、ハード面の整備として、GIGAスクール構想である。国策として、一人1台タブレットの実現、インターネット回線スピードも改善された。本事業の追い風となっている。 研究課題の「小中高一貫した海外交流授業の連続モデルの完成」には不可欠な教育委員会や管理職との協力体制構築も順調に整ってきており、引き続き滑川市教育委員会、魚津市教育委員会、高岡市教育委員会など小中学校を所管する公的機関、加えて県庁の国際課との連携が進んでいる。2020年度小学校外国語必修化前から小学校現場の要請が高まっており、中学校、高校も新学習指導要領の理念のもと需要が高まっている。本研究のタイトルである「化学反応(有機的な結合)」が協力体制でうまれ始めている。研究命題である「日本の若者の国際競争力を高める」には、1「小中高の一貫した海外交流授業の連続モデルの完成」が必要であり、そのためには2「英語教科書と連動した小中高それぞれでの授業モデルの充実と普及」が必要である。「アジア太平洋海外交流学習」を今後も富山県内の公立小中高等学校で展開していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題1.小中高一貫した海外交流授業の連続モデルの完成(8年連続モデル) 今年度、小学校での交流スタイルの改善、進展には目を見張るものがある。5人グループに分かれ、一人1台各自のタブレットを使って、show & tellのスタイルで、発話内容をスクリーンに見せることで、個々の英語発話力の不足を補っている。英語音声信号に加えて、目からの映像信号を使うことで、双方の理解度・満足度を高める。言いたいことを海外の同学年の児童に伝えたい、という熱い思いからくる児童の工夫であり、この英語発話を通して、思考力・判断力・表現力を高める英語学習環境となっている。 一方、多忙を極める中学校でも改善の変化がみられている。参加校は、2校から9校へと増えている。小中高校の「のりしろ」の整合性を取るための中学校でも新たな動きが出ている。 課題2.教科書を使った授業と「連動した」授業モデルの充実と普及(校種ごと) 小学校で本事業に参加する小学校も6校から11校にまで増え、本事業を言語材料定着を目指す「慣れ親しみ期」に使ってみよう、という教員の新たな取り組みが良好な教育効果がみられる。中学校では、「中1ギャップ」と呼ばれる困難を抱えた生徒のモチベーションを高める目的で設定する教員集団が出始めたことは明るい材料である。高校では、毎週1回年15回実施する学校は8年目を迎え、2年の「英語」授業→3年の「総合的な探求の時間」へと良好な接続が特徴である。台湾の中高一貫校と交流し5年目の高校では、探求活動として新たな取り組みを終えた。同じトピックを選んだ台湾の生徒と日本の生徒をマッチングしペアを組み、日台の違いの根底にあるものを探究し、最後はその二人で英語プレゼンテーションする「授業モデル」を完成させた。進学校の生徒の持つ潜在能力を引き出した。このように、自由度が比較的ある高校のニーズと本事業がうまくかみ合っている。
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今後の研究の推進方策 |
課題1.小中高一貫した海外交流授業の連続モデルの完成(8年連続モデル) 最優先で、多忙を極める中学校での計画の遅れを取り戻す必要がある。教育長、教育委員会とも定期的に話し合いを持つが、現在の教員の働き方改革の流れがあり、授業をこの活動に充てること、複数あるクラスすべてで実施することは教員の負担増につながり、管理職も懸念しているところである。そこで、軌道に乗せるSTEP1として、放課後30分の同好会活動を提案している。こうすれば、1(授業時間の確保)授業に影響することはない、2(教育の機会均等)興味のある生徒は全校のどのクラスからでも参加できる、3(ALTが輝く場)教員の負担軽減とALTがやりがいを感じる場づくり、と考えている。小学校、高校では軌道に乗った学校の継続支援、中学校では軌道にのせるための試行を継続していく。 課題2.教科書を使った授業と「連動した」授業モデルの充実と普及(校種ごと) 中学校では、単元の発展学習に使いたい教員は多い。繰り返しになるが、ただ、管理職の理解、時間を捻出することがなかなかできず懸案事項になっており、一朝一夕にはいかない。中学校に関しては、今後も上記のSTEP1を軌道に乗せることを目指し、本課題に取り組む。 小学校、高校では、現在までの進捗状況に書いた成功事例を「Good Practice」として、パッケージ化して、普及を目指す。
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