配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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研究実績の概要 |
小学校中学年を対象に英語音声主体の指導が行われている外国語活動では,発音指導は必要不可欠である。小学校教員が苦手意識を持つ発音指導を支援するため,教材『Let's Try! 1, 2』の各単元に準拠した「英語音声指導マニュアル」の作成と改良を進めた。教材付属の教員用『指導編』の「言語材料」の音声出現頻度を単元毎に分析し,教材の出現頻度別音声と併せて各単元で扱う分節音と超分節音のリストを作成し,内容を記述した。 マニュアル作成に活かすため,児童の英語音声の特徴を調べた。小3生10人が発音したアルファベット文字名称の音声について,英語母語話者8人による“通じ易さ(intelligibility)”の5段階評価と文字の聞き取り調査を行った結果,L,P,T,V,Zは理解されにくいことが分った。音響分析結果から,P,Tは無声閉鎖音の気音が弱いためB,Dに聞き間違えられ易いこと,L,V,Zは日本語音の代用など,母語干渉が通じ難さの要因であることが分った。 小学校教員の発音の実態とマニュアルの効果を調べるため,マニュアルを使用してアルファベット文字名称の発音を練習した教員2名の練習前後の発音について,英語母語話者3人が通じ易さを5段階評価した。その結果,一人の教員は有意に発音が向上し,もう一人は有意な変化がみられなかった。アルファベットによる向上度の違いがあり,C,G,J,M,O,T,Yは2名とも向上したが,LとWは両者とも改善がみられなかった。特にLの発音は児童,教員ともに通じ易さの度合いが低かった(児童:2.14,教員:2.5)。“暗い/l/”は日本人にとって習得が難しい音と考えられるため,記述を改良した。 マニュアルを使用した教員の感想として,“内容が充実しており,発音向上に役立つ”が,分かり易さの面で改善が必要とのことで,発音困難な音についてアルファベット単元の改良を行った。
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