研究課題/領域番号 |
18K00853
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
伊佐地 恒久 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (20586482)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 批判的思考力 / 英語授業 / リーディング / ライティング / 統合的指導 / 英語熟達度 / 批判的思考態度 / 英文理解度 / 英文読解ストラテジー / 深い英文読解力 / 英語リーディング / 読解ストラテジー / クリティカル・リーディング / 深い読み / 英文読解指導 |
研究実績の概要 |
リーディングとライティングの統合的な指導により、英語力に加えて参加者の批判的思考力の育成を目指す授業を実践した。リーディングでは、読解前に英文のトピックについて興味・関心を喚起したり、読み手の背景知識を活性化したりするための質問を与えた後、一巡目の読解においてテキストにそのままの形で解答となる内容が書かれている「事実質問」により概要把握を行った。次に、 二巡目の読解において、テキストに明示された情報をもとに推測したり、複数の情報を統合して理解を深めるための「推論質問」により、テキストの理解を深めた。続いて、三巡目の読解に進み、テキストの記述に疑問を投げかけたり、別の観点から考えたりして英文のトピックについて考えをまとめるための「クリティカル・リーディング質問」により、テキスト内容について批判的に検討させた。ここまでのリーディングをもとに、論題に関する意見のアウトラインを作成し、ペア・グループワークにより意見を深めたうえで、意見文を英語で記述させた。 その結果、批判的思考力のうち、三段論法などの形式論理ではなく非形式的な推論能力の有意な伸長が見られた。一方、批判的思考態度アンケートの「論理的思考への自覚」と「全体」の得点において、効果量は小さいが有意な低下が見られた。本実践により参加者はそれまで意識していなかった批判的思考にかかわる領域について「メタ認知的気づき」の機会を与えられ、これらの領域における取り組み不足を認識したためだと推察される。 今後の課題として、テキストを批判的に検討するための内容質問の一層の検討等が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属学部の改編に取り組む委員会に配属されたため、研究に充てることができる時間が少なかった。昨年度に引き続き、英語力に加えて批判的思考力の育成を目ざした授業を実践し、その結果を分析することはできた。ただ、リーディングにおいてテキストの批判的分析のためのクリティカル・リーディング質問の検討の余地があると考えられる。以上の状況から「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
批判的な読解を促すクリティカル・リーディング質問について検討した後、事実質問及びクリティカル・リーディング質問の読み手の理解度と批判的思考への効果の違いを調査する。理解度は筆記再生(written recall)により測定し、批判的思考力は意見文を書かせ調査する。この調査結果をもとに、授業実践を行い、事前・事後調査により、その効果を調べる。効果は、批判的思考力、批判的思考態度、意見文、自由記述式アンケートにより調べる予定である。
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