研究課題/領域番号 |
18K00909
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03010:史学一般関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐久間 亮 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 教授 (30231335)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 英領インド / 野生動物保護 / 国立公園 / 世論形成 / 環境保護世論 / 野生動物保護ネットワーク / ダージリン自然誌協会 / ボンベイ自然誌協会 / マナス国立公園 / カジランガ国立公園 / セイロン野生動物保護協会 / イギリス帝国 / 英領マラヤ |
研究実績の概要 |
本研究は英領インドおよびスリランカにおける野生動物、自然・環境保護運動の展開を検証し、イギリス領アジア植民地における保護運動の全体像を明らかにしようとするものである。計画最終年として、以下の計画のもとに研究に着手した。1)カジランガ、マナス両国立公園の形成期と、インド独立後の発展において在地の英人保護団体であるCeylon Game Protection Society,Darjeeling Natural History Society, Bombay Natural History Societyが如何に関与したのかを明らかにすること、2)研究の総括をおこなう、の2点である。 1)については、コロナ禍により海外での資料収集作業が不可能であったので、日本国内からアクセスしうる二次文献中心の入手作業をおこなうにとともに、前年度までに収集した資料の分析作業を継続した。英領時代に形成された保護論者のネットワークが、両国立公園形成期のみならず、インド独立後も国際的な保護論者のネットワークの一部をなし、ロンドンを中心とする保護論者のネットワークと、インド北東部、とくにアッサム地方の国立公園設立運動を媒介する存在であったこと、なかでも、Bombay Natural History Societyは首都ロンドンのみならず英国各地に拠点と会員を維持し、中核的役割を果たしていたことなどが明らかになった。しかし、コロナ禍で渡航しての資料収集が不十分であったために、マナス国立公園の形成と発展について充分な調査、分析は行えず、研究を総括するには至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
英領インドにおける野生動物保護ネットワークの全体像、およびこれとロンドンを中心とした英本国の野生動物保護運動のネットワークとの関連、またそのカジランガ国立公園形成前史における役割については充分明らかになりつつある。さらに、インド独立後のネットワークの継承と第二次世界大戦後に形作られつつあった国際的な野生動物保護団体の関連についてもほぼ明らかになった。 しかし、1940年代のマナス国立公園周辺の状況、とりわけ、保護区設置にむけての合意形成プロセスについて資料がほとんど収集できず、遅れているという判断をせざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
マナス国立公園関係の資料収集を積極的に進めたい。また、独立後のアッサム地方での保護運動と地域住民との関連、エスニックグループごとの保護区形成についての世論と、保護区形成についての地域の合意形成のプロセス、および反発について明らかにしたい。この作業を終えたのちに、研究の総括をおこなう。
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