研究課題/領域番号 |
18K00928
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
今津 勝紀 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (20269971)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 人口動態 / 時空間情報科学 / 日本古代史 / シミュレーション / 飢饉 / 疫病 / 災害 / 地理情報システム |
研究成果の概要 |
慢性的飢饉状態にあった古代ではあったが、天然痘などの感染症を除いて、旱魃や霖雨による飢饉、それが誘発する疫病は作用する地域が限局された環境抵抗であった。平安前期の人口分布は、列島の中央部から西部にかけて人口密度、すなわち人口圧が高いが、奈良時代を通じてのこれまでの年率一%成長説は理論値であり、深刻な飢疫被害をうけた地域では人口が減少し、人口はモザイク状の分布を示した。奈良時代の人口は年平均人口増加率〇・一%から〇・二%程度の間で推移し、平安時代前期の総人口は五〇〇万から五五〇万人程度と考えられること、東北地方への植民の背景に東国の人口動態を考える必要があることを見通した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人口の問題は、国家そのものを表現する最も端的な指標でもあるため、古くから議論があるが、史料的制約により古代・中世社会についての研究はあまり進んでこなかった。それでも、かろうじて人口総量の推定はなされてきたが、それがどのように時系列的に推移し、どのように空間的に分布していたのかなど人口動態については不明であったが、時空間情報科学によるシミュレーションの手法を活用することで、時間と空間の二局面において人口を動態的に捉えることができた。古代における列島社会の人口動態を明らかにすることで、律令制下の再生産システムや支配の内実の再検討がすすむことが期待される。
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