研究課題/領域番号 |
18K00935
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
木村 真美子 学習院大学, 付置研究所, 研究員 (10815062)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 輿車雑要抄 / 車輿等書 / 洞院家 / 八葉車 / 京都御所 / 牛車模型 / 牛車 / 日本中世史 / 車図 |
研究実績の概要 |
交付申請書に記載した「研究目的」および「実施計画」に照らして、今年度は以下のような進捗をみた。 ①史資料の収集:『日本建築を作った職人たち』をはじめとする牛車および牛車絵、牛車模型製作等に必要な書籍の購入を行った。 ②研究会の開催:東京大学生産技術研究所において、研究協力者の東京大学生産技術研究所の腰原幹雄氏による牛車模型製作過程の実見、ならびに、研究成果報告書(冊子の予定)についての研究会を二回開催し、刊行についての打ち合わせを行った。史資料調査の結果、現存する京都御所の八葉車が近世初頭の女院である中和門院所用の八葉車を再興したものと推論するに至った。当初、文献史料学の立場から中世をターゲットとしていたが、建築の立場からは現存する牛車から遡ることを重視すべきとの提案を受け、近世の牛車の現状についても考察の対象とすべきと考えた。そこで、研究協力者である東京大学史料編纂所の渡邉正男氏とともに綿密な史料研究を進め、これまで研究が立ち遅れていた近世の牛車についての具体的な知見を多数得た。その成果の一部は近世を主とする牛車についての年表としてまとめる予定である。 ③研究成果:研究代表者は陽明文庫所蔵『輿車雑要抄』の翻刻を終了し、研究協力者である渡邉正男氏は宮内庁書陵部所蔵『自宝暦至文久御車新調並修覆書類』の翻刻を終了した。校訂のうえ成果報告書に載せる予定である。20分の1スケールの牛車模型の製作に着手した。 ④『車輿等書』分析のため、これまでに行った陽明文庫所蔵(洞院家旧蔵)史料調査の成果に基づき、同文庫所蔵『小朝拝関白宣下条々問答』について『陽明文庫講座』図録4に解説を執筆した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響のみならず、研究代表者の体調不良、入院手術等もあったため、新たな視点に基づく研究の進捗はみたものの、牛車模型製作および出版計画のための打ち合わせ等を予定通りに行うことができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの影響により、大幅な予定の変更を余儀なくされたものの、長期にわたる研究や研究会を重ねることにより、近世の牛車および乗車活動の分析の必要性という新たな視点を得ての研究の成果を提出することができるようになった。また、牛車の模型についても、外見を復原した模型だけでなく、内装・仕様なども見られるように分解できる模型とあわせて二台を製作することにした。 以下の4点の研究の推進方策を提示する。 ①陽明文庫等等の史料所蔵機関に出張し、必要史料の確認および収集の追加を行う。 ②20分の1スケールの牛車模型ならびに10分の1スケールの分解可能な牛車の製作の完了。 ③『輿車雑要抄』『自宝暦至文久御車新調並修覆書類』の解題、牛車模型製作についての所見、論文等を掲載した報告書を作成する。 ④『車輿等書』翻刻を完了し、出版の準備を整える。
|