研究課題/領域番号 |
18K00964
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
トレンソン スティーブン 早稲田大学, 国際学術院, 准教授 (10595432)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 密教 / 中世神道 / 即位灌頂 / 真言密教 / 真福寺 / 神祇書 / 醍醐寺 |
研究成果の概要 |
本研究では、中世日本における密教と神道の交流について考察した。特に、中世神道が思想的にどの程度まで醍醐寺の密教と関係し合っているのかを検討した。中世神道の信仰は多種であるが、その中で灌頂儀礼がある。それは師が弟子に対して天皇や神々について様々な秘説を伝えることによって弟子を解脱させるという特殊な儀礼であるが、本研究の結果、醍醐寺法流の影響を受けた中世神道の灌頂儀礼において仏舎利(宝珠・龍)の信仰だけではなく、仏母(仏を生み出す智慧)及び玉女(仏教の理想上の王の妃)の信仰も重視されていたことが判明した。これは中世神道における性と王権という課題を考えるためには重要な研究成果であると言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、中世日本における密教と神道の交流について考察するものであり、特に、密教学界で問題とされている醍醐寺の密教と中世神道との関係に一光を投じることを目標とした。研究目標を果たせるために即位灌頂及び神祇灌頂の世界に絞って考察を進めた。その結果、醍醐寺の密教も中世神道も『瑜祇経』の経説を重要視した点が判明した。具体的に言えば、『瑜祇経』は愛染王が仏母でもあり、仏・菩薩及び国王の妻(つまり、玉女)でもあると主張するが、中世密教の即位法はその仏母信仰を取り入れていた。これは中世密教における性と王権という問題及び『瑜祇経』の意義を再考することを促す重要な発見であると言える。
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