研究課題/領域番号 |
18K00975
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
加納 寛 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30308712)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | プロパガンダ / タイ / 大東亜共栄圏 / 南進政策 / 宣伝機関 / 東南アジア / 他言語 / 文化政策 / 多言語 / 南進 |
研究実績の概要 |
2023年度は、ようやくコロナ禍における海外出張の抑制が解け、タイに出張して国立公文書館における史料閲覧を再開できた。タイ国立公文書館では、主に国軍最高司令部文書を閲覧し、日本の宣伝機関のタイ進出に関する史料を筆写した。とくに、日本とタイの両国間における宣伝関係の調整機関であった「日泰宣伝委員会」の史料については、タイにおける日本の宣伝機関の活動がうかがわれ、本研究計画における根幹となる史料群であることが判明し、筆写した資料の分析に努めた。この成果については、近日中に論文として公表する予定である。また、同史料群に含まれていた日本語の史料については、日本側の理念や活動と、それらとタイ側の反応との関係を知るうえで重要であり、多言語によるアプローチの有効性を示すものとなっており、論文として公表するとともに、今後の研究計画においても活用していきたい。 タイ国立公文書館には出張できた一方で、当初の研究計画で予定していたアメリカやイギリスの国立公文書館への出張については、コロナ禍による研究計画の変更により、日本における資料収集を優先したために叶わなかったが、これまでアメリカやイギリスで収集した英語史料の分析を進めたことで、次の研究計画へのステップとしたい。 2023年度においては、これらの史料収集や史料分析を基盤として、研究書を出版する準備を行い、今次研究計画全般の成果を含む書籍の草稿を完成させたことも大きな成果であった。これは、2024年度中に研究書を出版することによって、今次研究計画の成果を学会および社会に還元する予定である。 結果として、日本のタイ進出においては、軍事的進出においては「同盟国」として住民感情にも十分に配慮しようとしつつも実態としては両国間に軋轢をもたらしたことや、鉄道省の進出による日本観光促進や綿業等の日本製品輸出促進などの狙いもあったことがわかった。
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