研究課題/領域番号 |
18K01003
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
赤木 崇敏 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00566656)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 敦煌 / 中央ユーラシア / 唐宋代 / 仏教社会 / 敦煌文書 / 石窟 / 敦煌文献 / 敦煌石窟 / オアシス / 仏教 / 石窟寺院 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,9世紀から10世紀にかけての敦煌オアシスを対象として,イスラーム化以前の中央ユーラシア・オアシス地域における仏教と社会の関係を,文書史料および石窟寺院の銘文・図像資料から復元しようとするものである。本年度は以下の研究を進めた。 (1) これまでの調査成果や学会報告内容を整理し,10世紀の敦煌を支配した曹氏帰義軍節度使の功臣号の編年とその歴史的背景を考察し,論文として発表した。一般に功臣号とは唐・宋代において皇帝から有功の臣下に下賜される称号だが,帰義軍節度使は中国王朝の認可なしに独自に功臣号の運用をしていたこと,敦煌においては仏教石窟の供養人題記に集中して現れることを明らかにした。また,独立オアシス国家の支配者たる曹氏節度使がこのような功臣号を積極的に使用した背景として,当時の敦煌においては対中交易を重視しており中国王朝との関係を維持するために形式的に功臣号を使用したという見通しを述べた。 (2) 10世紀半ばから後半期にかけて,特定の帰義軍節度使の時代には,敦煌石窟には集中的に節度使の供養人像が現れる。この歴史背景については世俗と教団の社会的関係や節度使の宗教的役割の変化が夙に指摘されているが改めてこれらの点について考察するとともに,帳簿史料をもとに節度使の造窟活動の復元を行った。 (3) 前年度と同様に今年度も新型コロナウィルスによる影響により海外調査は実施できなかったが,中国学界の動向や関連史料・遺跡などの情報収集に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの成果の一部を公表できた。ただし,計画していた海外研究機関での史料調査は中止せざるをえなかったため,研究期間を延長して引き続き調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
既刊史料集や過去の石窟調査のデータをもとに研究を進めてきたが,次年度では未確認史料の海外調査を予定している。また最終年度となるため,敦煌オアシスにおける仏教と社会の諸関係についてこれまでの分析結果を総括する。次年度も海外渡航が困難な場合は,既入手のデータをもとに総括を行う。
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