研究課題/領域番号 |
18K01012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
関根 真保 立命館大学, 衣笠総合研究機構, プロジェクト研究員 (20708698)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 東洋史 / 中国近現代史 / ユダヤ離散史 / 日本植民地史 / 上海外国人史 |
研究成果の概要 |
ナチス・ドイツから戦時上海に移住してきたユダヤ避難民は日本占領下の上海で戦時を生き抜き、戦後になってアメリカやイスラエルに移住していった。本研究は彼らに対する日本の政策を問うものであり、その方法として、上海ユダヤ避難民の歴史を「上海ゲットー」設置以前と以後の2期に区分することを提示した。 それによって、この言説の論拠は、ユダヤ人もその他の外国人と同様に扱うとした日本の方針を示した1938年の「猶太人対策要綱」や、自由を享受できた上海のユダヤ人街「リトル・ウィーン」での生活など、すべて1943年に日本軍によって設置された「上海ゲットー」以前の日本のユダヤ人政策にあることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上海に移住してきたユダヤ人は、結果的に日本占領下で、失うはずの命をつなぐことができた。この事実から日本では、「上海のユダヤ避難民は日本が救出・保護した」という言説が、2000年代初頭に定着した。 しかしその後の上海ユダヤ避難民の歴史研究から新たな事実が見えてきた。また、本研究が、「上海ゲットー」の前と後を比較することによって、上海のユダヤ人の生活状況が一変したことを提示した。さらに本研究は、戦後におけるユダヤ人の国外移住の経緯にまで考察対象を広げた。この「上海ゲットー」以降の時代を考慮するならば、「上海のユダヤ避難民は日本が救出・保護した」という言説もおのずと限界が見えてくることがわかった。
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