研究課題/領域番号 |
18K01013
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
鷲尾 祐子 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (60642345)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 走馬楼呉簡 / 住民家族名簿 / 戸籍 / 女性史 / ジェンダー / 家族 / ライフサイクル / 世帯 / 年齢 / 親族構成実態 / 地域統治 / 住民名簿 / 史料批判 / ライフイベント / 同居家族 / 性別 / 簡牘 / 年齢史 / 家族構成 / 簡牘研究 |
研究成果の概要 |
走馬楼呉簡の住民家族名簿を用いて、紀元三世紀における長沙の人々のライフサイクルを明かにした。嘉禾六年・四年・五年の簿計六部を集成し、対象・時期・機関・用途・特徴を把握し、史料化に必要な情報を確定した上で、300戸(世帯)を復原した。簿と戸の情報により、十代後半初婚、三十代で独立し、六十以降扶養される傾向が明かになった。夫婦の関係は流動的で、複数回配偶者を変更するのが一般的である。また女性が婚家に帰属する傾向が増すことが看取されるが、同時に父系宗族の枠組みを超えた近親間の扶助が存在する。さらに、出生時に女子がまびきされやすい傾向や、加齢に応じた夫婦の年齢差の拡大など性差の存在が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
史料的価値が未確定な走馬楼呉簡住民家族名簿(吏民簿)の史料化に成功した。名簿を分類し作成年・用途と特徴を定め、毎年住民把握のための日常的業務として複数の簿の対校が行われており、記載内容に信憑性があることを明かにし、これらの簿を史料とすることの有効性を証明した。 家族員や世帯の情報により、当時の男女のライフサイクルを明かにし、高齢になるまで婚姻可能であること、配偶者は入れ替わることなど、当時の婚姻に関する従来の見解を覆す知見を得た。また、高齢時の婚家帰属傾向や配偶者との年齢差の性差など、ジェンダーについて新たな情報を得、必ずしも父系・母系に拘束されない世帯の様態についても新たな知見を得た。
|