研究課題/領域番号 |
18K01036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
原田 昌博 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60320032)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 近現代ドイツ / 酒場 / 政治的暴力 / ベルリン / ナチズム / プロパガンダ |
研究成果の概要 |
本研究は、近現代ドイツにおいて「酒場」が労働者を中心とする大衆と街頭政治との接点になっていたことに着目し、ベルリンを事例にその政治的な役割や機能を明らかにしていくことを目的とするものである。ドイツでは、社会主義者鎮圧法の時期に社会主義労働運動によって酒場が政治化され、さらにワイマル期にナチスや共産党が独自の酒場を持つようになると、酒場は政治的暴力の拠点あるいは温床となっていった。つまり、酒場は政治的弾圧を逃れるための「隠れ家」から政治的暴力の「前線基地」へと変容していったのであり、本研究はこうした政治的酒場の実態を、ベルリンの文書館に所蔵されている一次史料を用いて検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近現代ドイツの街頭政治あるいは大衆民主主義において酒場が果たした政治的な役割や機能を実証的に明らかにしようとした。これにより、第二帝政期からワイマル期にかけてのドイツで酒場が政治活動と密接な関係を持ちつつ発展していった過程,さらに政治的酒場を拠点に発生した政治的暴力の実態が導き出されたが、特筆すべきは、ワイマル共和国期のナチズム運動が街頭公共圏でのプレゼンスを高める拠点として酒場を利用していた点が解明された点である。本研究の成果は、ワイマル期の大衆政治やナチズムの台頭を考える上での視座を提供し、そこから日独(日欧)の比較史の可能性も開かれることになる。
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