研究課題/領域番号 |
18K01045
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 東京大学 (2023) 東洋大学 (2018-2022) |
研究代表者 |
後藤 はる美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00540379)
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研究分担者 |
正木 慶介 神奈川大学, 外国語学部, 准教授 (00757172)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 公共圏 / メディア / 新聞 / 民衆政治 / 風刺 / 諷刺 |
研究成果の概要 |
本研究課題は、近世イギリスにおける大衆出版(popular print / popular press)の登場とそれによる政治文化の変容を、公共圏に注目しつつ明らかにすることをめざすものであった。具体的には、17世紀から19世紀初頭までの長期的変化を俯瞰しつつ事例研究を行い、印刷物の製造・流通・受容を一連のプロセスとして検証した。同時に、時事的な出来事に敏感に反応したプレスが、とくに大衆動員という観点で当時の政治文化のなかで果たした役割と、この約2世紀間に起こった大衆出版を軸とした公共圏の成熟・変容を考察することを最終的な目標とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の特徴は、17~19世紀初頭という長期的視座から公共圏の形成と変容を考察することにあった。この点では、検閲体制の崩壊したイギリス革命期、王位継承排除危機期の特殊性とその長期的影響、および18世紀の検閲廃止以降の状況との対比が浮きぼりとなった。他方で、従来の理念型としてのハーバーマス・モデルの再検討からは、17世紀の初期公共圏の基本的に党派的な性格からこそ批判的読者が形成され、民衆の政治参加の機会が与えられたこと、また、18世紀以降により「理性的」な討論の場を志向しつつ公共圏が醸成されるなかでも、政治的宴会にみる「酔い」のような非合理的要素が重要な役割を果たしたことが確認できた。
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