研究課題/領域番号 |
18K01046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
平野 千果子 武蔵大学, 人文学部, 教授 (00319419)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 国民史 / 植民地史 / 黒人史 / フランス史 / 歴史認識 / 人種主義 / マイノリティ / ジェンダー / 人種 / ディアスポラ / 国民史の書き換え / 宗教 / 植民地 / 外国人 / 黒人 / ナポレオン / 仏領カリブ海 |
研究成果の概要 |
本研究は、「黒人」という存在がフランス国民史のなかにほぼ不在であるという問題意識の下、彼らを含めた国民史はいかに書かれるべきか、探究したものである。黒人はフランス史において主軸となる歴史には見えなくても、つねに存在してきた。従来、黒人への関心は大西洋奴隷貿易や奴隷制に集中してきたが、近年ようやくフランスでも、このテーマの研究が緒に着いたところである。この問題は、過去をどう捉えるかという歴史認識にも関連する。黒人という、今日のマイノリティを取り上げたことで、女性やジェンダーという、さらなるマイノリティの問題にも視野が開かれ、結果として本研究はきわめてインターセクショナルな視角をもつものとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般に、フランスのマイノリティと言えばムスリムといったステレオタイプの見方があり、黒人はさほど意識されないことが多い。しかし現代フランス社会において黒人も一つのマイノリティ集団であり、歴史的にも彼らはつねに存在してきた。本研究では、歴史叙述のなかで等閑視されてきた黒人を主題に複数の論文を公刊し、黒人を含めた国民史の書き換えへの手がかりを提供してきた。また黒人に密接に関係する「人種主義」の歴史について新書一点を、大学生および一般向けの通史一点を上梓し、新たな視角からのフランス史、すなわち現実により近い多面的なフランス史の可能性を、学界のみならず広く一般社会に向けて具体的に発信することができた。
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