研究課題/領域番号 |
18K01065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松本 直子 岡山大学, 文明動態学研究所, 教授 (30314660)
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研究分担者 |
渡邉 正巳 島根大学, エスチュアリー研究センター, 客員研究員 (80626276)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 縄文時代 / 古環境復元 / 黒ボク土形成 / 花粉分析 / 植物珪酸体分析 / 人間による植生干渉 / 微粒炭分析 / 縄文時代後晩期 / 焼土遺構 / 放射性年代測定 / クロボク土 / 土壌サンプリング / 環境変化 |
研究成果の概要 |
鳥取県西伯郡大山町岩伏し遺跡の発掘調査を実施し、打ち込み式サンプラーによる合計32本の体系的なサンプリングを行った。発掘調査の成果として、縄文時代後期の焼失住居の可能性がある遺構が検出された。 土壌サンプルについて同じ層準の資料を分割して植物珪酸体分析、花粉分析、微粒炭分析を行った結果、黒ボク土壌形成以前の冷涼な気候から、黒ボク土壌形成期には比較的温暖で積雪の多い気候となったこと、黒ボク土層形成期には火入れなどの人為的な植生干渉によって草原的環境が維持されていたことが分かった。黒ボク土の形成は少なくとも中世まで継続していた可能性も示唆された。2022年度末に発掘調査報告書を刊行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
発掘調査と組み合わせた体系的な土壌サンプリングと、試料の多角的分析によって、その地点における詳細な環境変化を復元することが可能となった。この方法論は、他の調査においても広く活用が可能である。また、縄文時代の早期からヒトによる環境への干渉が強化されていく実態についての新たなデータを得ることができた。また、発掘調査で焼失住居の可能性がある遺構を発見したことは、明確な居住遺構が乏しい中国地方の縄文時代研究にとって貴重な成果であった。また、縄文時代以降も断続的に標高670mの大山北斜面でヒトの活動が行われていたことも確認された。
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