研究課題/領域番号 |
18K01072
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
高橋 満 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (20726468)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 土器製塩 / 製塩土器 / 土器製作技術 / 三次元データ化 / 縄文時代 / 3次元計測 / 型式学 / 製作技術 / 白色結核体 / 白色結核鯛 / 製塩土器型式 / 製作技術単位 / 多層位編年 / 考古学 |
研究実績の概要 |
前年度から継続して、1961年に旧武蔵野郷土館が発掘した茨城県広畑貝塚の土器製塩関連遺物の調査を行い、東関東地方のおける製塩土器の編年構築と製塩動向の把握についての知見を深めた。 昨年度把握した製塩土器の時期的位置付けの精度を高め、土器変遷過程を理解し指標となる要素を明らかにするために主に縄文時代晩期の製塩土器を対象に土器の形態・サイズに加えて製作技法や器面調整にも留意し、製塩土器群の特徴把握に努めた。製塩土器の口縁部資料では、特定の層位に顕著な内面調整を施す例が認められ、製作工程と機能面から土器製作(形態獲得)の意図にアプローチできる可能性がある。また底部資料では、尖底や亜尖底の形態作出に、特徴的な粘土成形技法があることと器面調整の手法により形態変化をもたらしている可能性について所見を得た。また破片資料では底部形態が平底か尖底か判断しにくい場面あるが、当該遺跡は製塩土器多産遺跡であるため形態把握が確実な資料が安定した量で存在するため分類・計数の精度が高いことを改めて認識した。 製塩土器の資料提示は、従来の手法ではその特徴を表現できているのか、第三者と共有できるのかについて課題を内包しているが、昨年度実施したレーザー計測による3次元データ化の成果を受けてその有用性から、今年度はフォトグラメトリによる資料の図化を本格化させて製塩土器の特徴把握とデータ化を推進した。 さらに製塩土器出現期の問題と当該期の土器型式の理解のために、関東地方の縄文時代後期後葉の曽谷式土器の標識資料の調査を行った。近年注目されている無紋浅鉢が確実に同時期に伴っていることを確認した。その一方で、後続する時期で確実に製塩土器と判断できる資料は確認できなかった。併せてで当該期の土器の制作技術も併せて検討し、様相を把握しデータを蓄積した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症感染防止のための諸制限が比較的緩和されたため、資料調査を行う回数が前年と比較して回復したが、過去の感染対策防止のための制限による進捗不振をリカバーするまでには至らなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
製塩土器の編年を高精細にするため、出現期から縄文時代後期の資料を対象に層位別及び区域別の製塩土器の形態・製作技術の比較を行い、時期ごとの土器群の提示にとどまらず変化の方向性を評価できるようにする。一方で資料の遺存度によって資料の評価が左右されないように記述の統一化を含めた観察基準の明確化と有効性および限界性について検討を加えつつ資料の3次元データ化による資料化を促進させる。 また自然遺物や結核体等の製塩残滓類についての分析し、遺跡内における場の機能と生業の変遷について検討を加える。
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