研究課題/領域番号 |
18K01082
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
森川 実 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (30393375)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 食膳具 / 奈良時代 / 正倉院文書 / 東大寺写経所 / 古器名 / 土器の計量的研究 / 陶臼 / 奈良時代・飛鳥時代 / 「正倉院文書」 / 古代の食器 / 器名考証 / 土器の規格論 |
研究成果の概要 |
本研究では、正倉院文書所載の食器の器名を整理し、それらを平城宮・京出土土器に対比することで、奈良時代後半の東大寺写経所(奉写一切経所)における食器構成の復元をおこなった。その結果、天平宝字年間(760年代)の東大寺写経所では、陶器(須恵器)5種類にくわえて笥(木製食器)の六器構成が用いられたことを明らかにした。 平城宮・京出土土器にかんしては計量的研究をおこない、従来の考古学的分類を参照しつつも、古代の食器分類との対照を図り、土師器・須恵器のそれぞれで椀2種・杯(つき)2~3種・盤(さら)1種を識別した。また、須恵器の大口径椀が古代の「麦椀」にあたることを実証し、その用法を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代の器物がどう呼ばれたかを復元する研究は先行研究が少なく、未知の部分がなお大きい。しかし本研究は、先行研究の成果を更新しつつ、奈良時代における実用食器の分類を実証的に復元したという点において、重要な意義をもつものである。また、古代日本の食文化は、今日の「和食」の原型といえ、その形成過程を考えるときに、古代食膳具の研究は不可欠である。本研究では、奈良時代の食器の具体的な用途・用法を一部で明らかにするなど、一定の成果が上がった。つまり、食器構成から古代の食を再現することが、本研究によって少しずつ可能となってきたのである。
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