研究課題/領域番号 |
18K01092
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
眞島 英壽 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (60526804)
|
研究分担者 |
安保 充 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00272443)
小野 昭 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (70000502)
島田 和高 明治大学, 学術・社会連携部博物館事務室, 専任職員 (70398907)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 黒曜石 / WD-XRF / ED-XRF / ポータブル型XRF / 蛍光X線分析 / 先史人類 / 機器分析 / 原産地推定 |
研究実績の概要 |
前年度、須藤隆司氏と共同で実施した原石のWD-XRF分析(破壊分析)結果と,長野県長和町男女倉遺跡群出土の黒曜石石器のED-XRF分析(非破壊分析)結果に基づく原産地推定によって、男女倉遺跡周辺での黒曜石原石獲得行動の傾向と、外部からの先史人類の往来が示された。 この結果について、5月末にハンガリー・シャロシュパタク城・ラーコーツィ博物館で開催された黒曜石国際会議2019で発表を行い、海外研究者から批判を仰いだ。 WD-XRFならびにED-XRFの分析品質管理については、国際的に見ても高品位であるとの評価を得た。また、黒曜石産地の少ない海外では、我々が認識したような小さな空間スケールでは、先史人類の活動状況を把握できないことから、大きな注目を集めた。以上から、国際的にこの分野をリードする研究との自信を深めた。 会議後にカルパチア山地周辺の黒曜石原産地をスロバキアやウクライナまで足を伸ばし見学した。この巡検では、日本がいかに多様な黒曜石原産地を持ち、多数の黒曜石石器が発掘保存され、黒曜石分析による先史人類動態研究の好適地であることが、改めて認識された。 基準黒曜石の国際クロス分析については、昨年度の取りまとめ段階で分析値のばらつきが大きいため、原因の解析が難しく論文化が難航していた。会議での発表によって、我々の分析精度の高さが認められ、我々の分析結果を基準として取りまとめて論文化するという方針を立てることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際に黒曜石原石分析(WD-XRF)と黒曜石石器分析(ED-XRF)をリンクさせた研究の結果を黒曜石国際会議2019で発表し、批判を仰ぐことができた。また、前年度実施した基準黒曜石のクロス分析結果については、分析値のばらつきが大きくその原因の解明が難しかったが、分析参加者と会って話し合い、取りまとめの方針を立てることができた。ICP-MSについては、実施施設ドラフトの排気処理に問題のあることが判明し、混酸を使った分解が実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究課題の最終年度であることから、得られた成果について国際学術誌に投稿し、年度内の採択を目指す。また、湿式法による黒曜石分析については、実施施設ドラフトでは排気処理に問題のあることが判明したので、他機関に協力を仰ぎ期間内に湿式分析を実施する。
|