研究課題/領域番号 |
18K01101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
光谷 拓実 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 客員研究員 (90099961)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 年輪年代法 / 東北産ヒバ / 東北産スギ / 北前船 / 木材流通史 / 林業史 / ヒバ / スギ / ヒノキアスナロ(ヒバ) / 年輪年代学(法) / 建築史 / 木業史 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は江戸時代に東北産木材(ヒバやスギ)が北前船によって各地に運ばれ、近世建築用材として広く使われている実態を年輪年代学的手法で明らかにすることにある。 2018年度は新潟県下に所在する近世建築3棟に使われているヒバ材の年輪年代学的検討をおこなった結果、ヒバ材の暦年標準パターンとの相関は総じて低いものの、3棟のうち2棟については東北産ヒバ材の可能性の高いことがわかった。 2019年度は福井県内に所在する近世建築3棟の建築部材について調査した結果、いずれの建物にも東北産ヒバ材やスギ材が使われている可能性の高いことがわかった。 2020年度はコロナ禍のもとでの現地調査は関係者の了解が得られず実施できなかったため、過去2年間の各地の近世建築から計測収集してきた年輪データの再検討をおこなった。その結果、2019年度に調査した建物の1棟には寺に残る文献資料などから東北産木材を使った建物であることを示す記述があり、結果との対比が可能になった。 2021年度もコロナ禍での目的とする物件の調査は実施できなかったが、福井県下の近世建築(山門)の修理現場から送られてきた軒天井板(ヒバ材)の年輪画像から年輪データを収集し、検討したところ、東北産の可能性の高いことがわかった。 2022年度は昨年同様コロナ禍での古建築の現地調査は実施できなかったが、過去に計測収集した年輪データの検討をしたところ、岡山県下に所在する近世建築に使われているこけら板は東北産スギ材の可能性のあることがわかった。最終年度は富山県下に所在する2棟の近世建築の調査をおこない、建具の羽目板は東北産のスギ材であることがわかった。本研究では、北陸地方の近世建築には北前船によって運ばれた東北産木材(ヒバ材やスギ)が広く使われている実態について、その一端を明らかにした。
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