研究課題/領域番号 |
18K01133
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
葉 せいい 茨城大学, 人文社会科学部, 教授 (30242332)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植民地 / 台湾 / 南洋 / 南進政策 / アジア / 地理教育 |
研究成果の概要 |
本研究は、帝国日本のアジアおよび南洋群島における植民地統治と南進政策を通じて、アジア・南洋の地域的統合をいかに企図し、またいかに実践したのかを分析した。日本は、周辺アジア諸国および南洋地域を帝国に包含していく過程で、「東亜新秩序」を理念として掲げ、南進政策を実施した。南進の最前線となった南洋は物資・資源供給地としての役割を担い、多くの日本人が糖業やリン鉱開発業に従事した。一方台湾は南進基地として位置付けられたが、技術移転に貢献したものの台湾人の南洋への移民はほぼなかった。大東亜共栄圏は、その中に階層化された地域が個々にその役割を担いつつ存在していたが、その「統合」は政策と理念にとどまった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本は、南進政策を実施しアジア・太平洋の地域統合により新たな地域構造の構築を試みた。日本が唱える「大東亜共栄圏」の理念をいかに「理解」し、アジア新秩序のなかで自らの位置づけを把握していたか、それが人々のアイデンティティ形成・ナショナリズム形成にどのような影響を与えていたのかという問いに対し、本研究では植民地政策や南進政策の理念、植民地で蓄積された経験と知識の移転についての分析も試みた。植民地統治期に日本が構築したアジア・南洋の空間秩序の意味を問うことは、歴史的意義のためだけではなく、現代においてそれが日本とアジアとの関係にどのような意味を持つかを考察する上で意義深いと考える。
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