研究課題/領域番号 |
18K01171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平野 美佐 (野元美佐) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40402383)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 貨幣 / 交換 / 沖縄 / 宮古島 / 模合 / 祝儀 / 贈与 / 贈与交換 / 文化人類学 |
研究実績の概要 |
今年度はコロナ禍がかなりおさまり、現地調査への制約がほとんどなくなった。本科研の調査対象である模合(頼母子講・無尽)グループも再開するところが増えてきた。この機会をとらえ、コロナ禍でどのように模合を継続、中断してきたのかについて、グループや個人への聞き取りを行った。子どもの祝いなど祝儀についても再開の機運はあり、いくつか調査することができたが、まだひかえめに祝う傾向が続いている。模合にしても祝儀にしても、コロナ前のようにはすべてが戻らない可能性があることがわかった。また、昨年度と同様、図書館などで関連文献・資料の精読・分析も行った。 昨年度から執筆を継続していた模合に関する本を秋に脱稿し、11月30日に単著として出版することができた(『沖縄のもあい大研究:模合をめぐるお金、助け合い、親睦の人類学』ボーダーインク刊行)。また、カメルーンの頼母子講(トンチン)と沖縄の模合を比較した論文(「貨幣を合わせて贈与する:沖縄とカメルーンにおける頼母子講のモビリティ」『イスラームからつなぐ2 貨幣・所有・市場のモビリティ』)を執筆した。これは来年度2024年4月の刊行となった。 これらの本や論文の内容は、英語で行った講演や学部・大学院の授業のなかで、国内外の学生や研究者に向けて発信し、感想やコメントを受けることができた。その際、アジア各国の頼母子講についての情報を得られたことは幸運であった。また、本については沖縄県の書店などでトークショーや講演などのアウトリーチ活動を行った結果、現地の方に広く研究成果を共有することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、コロナ禍の影響がほぼなくなり、聞き取りや参与観察がしやすくなったため、調査は順調に進展した。ただし、模合や祝儀の場が元通りにはならず、規模が縮小されている。今年度は、そのようなコロナ前後の変化を追うことができた。このような最新の調査も含んだこれまでの研究成果をまとめた単著を出版し、それを現地の方々と共有することができた。これらのことから、今年度の研究はおおむね順調に進展したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、出版した模合に関する本に寄せられた研究者や一般の方々からの意見を受け、議論し、模合についての理解をさらに深めていきたいと考えている。また、祝儀文化についても、文献調査を継続し、論文執筆を進めていきたい。
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