研究課題/領域番号 |
18K01176
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
細谷 広美 成蹊大学, 文学部, 教授 (80288688)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 先住民/先住民族 / 植民地主義 / オーラルヒストリー / 平和構築 / アンデス / ペルー / エージェンシー / 真実和解委員会 / 国内避難民 / 新型コロナウイルス / 先住民 / 先住民族 / ケチュア / 法人類学 / 記憶 / 紛争 / ライフヒストリー / グローバル化 / NGO |
研究成果の概要 |
本研究は、ペルーの国内武力紛争中に国内避難民となった先住民のライフヒストリーを調査、記録し、研究するものである。 植民地主義の影響のもと、辺境に住む先住民の間では紛争時にはまだ国民統合が進んでいなかった。このため、反政府組織及び政府軍の侵入、大規模な虐殺、国内避難民となり都市部へ流入した経験は、国家や国際社会といった非先住民世界との異文化接触を意味していた。本研究は、紛争及び平和構築のプロセスにおいて、先住民が非先住民世界をどのように理解、解釈し、それに基づいてどのように行動したかを調査し、平和構築の実践と研究において、「犠牲者」として主体化された先住民のエージェンシーを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
移行期正義のメカニズムとしての真実和解委員会の設置は、冷戦前後に南米から広がった。ペルー真実和解委員会は、国内紛争における先住民の犠牲の大きさを明らかにしている。識字率が低い先住民地域での調査では、オーラルヒストリーとしての証言の収集が重要な役割を果たした。しかし、紛争にはプリーモ・レーヴィのいう「灰色の領域」が存在し、犠牲者と加害者はヤヌスのように入れ替わる。それ故、本研究ではライフヒストリーを調査することで、先住民を「犠牲者」に還元することなく、そのエージェンシーを論じ学問的貢献をした。さらに、本研究は平和構築に従事する現地の研究者や実務家に影響を与えてきているという社会的意義を有する。
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