研究課題/領域番号 |
18K01180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
鈴木 七美 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (80298744)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | エイジング(エイジ)フレンドリー・コミュニティ / 超高齢社会 / ライフロングラーニング / コミュニティ教育 / エイジング・イン・プレイス / 米国 / 多世代協働 / コミュニケーション / 相互扶助 / 平和主義 / 交流 / アクセシビリティ / 生活文化伝承 / 認知症高齢者 / エイジングフレンドリー・コミュニティ(AFC) / メモリーブリッジ / 人生語り / ライフロング・ラーニング |
研究実績の概要 |
本研究は、超高齢社会において、多文化・多世代の交流に開かれた場で、人びとがどのような経験を紡ぎ意義を見いだしているのか、またそうした場はいかにして実現できるのかに関する情報を、現地調査にもとづき提示することを目的としている。今年度は、会話や超自然との交信を含め、人びとが交流する時空間の変動とエイジング・イン・プレイスについて、歴史的資料及びフィールドワークで得た知見の分析を進めた。 第一は、植民地時代の米国に特徴的な社会的出産に関するものである。この集まりは、助産や治療の専門職化が進む以前の米国で、出産から看護、介護、看取りなどを担った主として女性たちが、ともに苦難を経験し、祝いや慰めを行い、情報を共有する機会でもあった。こうした日常会話をベースとする人生の危機における協働の時空間のありかたとその変容・喪失について分析し、成果を「出産の歴史人類学からみえてきた『母性のちから』――ケアと協働から考える」 というタイトルで発表した(招待講演 日本周産期メンタルヘルス学会)。 第二に、高齢者のケアや教育に関し、コミュニティがかかわる実践を重視してきたキリスト教再洗礼派の人びとの暮らしについて、現地調査内容および歴史的変動についての資料を精査し、成果として『アーミッシュキルトを訪ねて――照らし出される日々の居場所へ』を執筆した。再洗礼派のコミュニティ教育は、社会変化のなかで生活様式について考えるすべての人にとって不可欠のライフロングラーニングとして捉えられ、日常生活の集まりの会話をベースとして実践し続けられてきたことが明確となった。 第三に、現代の超高齢社会において、高齢者の生活環境において何が孤立感を緩和し、エイジング・イン・プレイスに資するのかを、現地調査に基づき検討し、論文執筆の準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染拡大という状況下、これまで蓄積してきた現地調査資料についてさらに内容を深める目的で、歴史的変動に関する第一次資料および第二次資料の探索を行い、多くの新たな資料を発掘し収集した。これらの分析と考察を充実させ論考を提示するために、より多くの時間を要すると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
米国のコミュニティ教育に関して、参加型の実践的研究により収集した資料に加え、歴史的変動に関する第一次資料および第二次資料の分析を進め考察を深める。認知症高齢者を含む高齢者や子どもたちなどすべての人が必要不可欠なメンバーとして参加するコミュニティ教育にかかわる価値観と実践のありかたについて、論考をまとめ発信する。
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