研究課題/領域番号 |
18K01182
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
平井 京之介 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 教授 (80290922)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 水俣病 / 博物館 / 負の遺産 / 記憶 / 社会運動 / 水俣 |
研究成果の概要 |
本研究は、熊本県水俣市において計7か月間の現地調査を実施し、水俣病が「負の遺産」と位置づけられるようになった経緯を明らかにすることを試みた。その結果、以下の3点が指摘できる。①水俣病運動において証拠として集められた資料やモノが、「負の遺産」の核を構成した。②水俣病が地域発展に活用されるようになる過程では、国家の政策が大きな影響を与えた。③現在、水俣病が「負の遺産」として活用されることに対して、快く思わない市民がいる一方で、環境モデル都市という水俣市のイメージ作りに水俣病という負の遺産は欠かせなくなっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、社会的制度としての「負の遺産」が、特定の歴史的文脈において、いかにして発展してきたかを明らかにした点で学術的意義が高い。その際、「負の遺産」の社会的役割を理解するために、個人や博物館、NPO、行政による、遺産を定義する多様な実践が競合し、相互作用する過程を分析の対象にするという独創的なアプローチを提示した。また、研究成果の一部は、国立民族学博物館の企画展「水俣病を伝える」及びその関連事業を通じて社会・国民に広く発信し、差別や偏見の解消や、「負の遺産」の保存に対する市民の理解促進につながる実践的な成果をもたらした。
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