研究課題/領域番号 |
18K01184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 (2021-2022) 滋賀県立琵琶湖博物館 (2018-2020) |
研究代表者 |
渡部 圭一 京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (80454081)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 低植生環境 / 資源管理 / 植生 / 柴山 / はげ山 / 森林資源 / 村の生存 / 草山・はげ山 / 平地林 |
研究成果の概要 |
前近代日本の山林について、近年では荒廃した低植生のイメージが提示されるようになったが、フィールドワークに基づく研究成果はまだ乏しい状況にある。本研究では、低植生の地域の実態の解明を目的とする。 方法として、対照的な植生環境にある湖西・湖東の村(大津市北比良、近江八幡市南津田)、および沖島(近江八幡市沖島町)を例に、植生の利用・管理史を比較した。その結果、本研究では資源の枯渇や過剰利用の問題を、いわゆる「里山」の一形態として位置付けた。柴山やはげ山はいわゆる「持続的な利用」とは異なるものであるが、それはけっして地域的に特殊で例外的な事例ではないことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、いわゆる里山における植生利用が「持続的な利用」とは異なる形態の不安定なものであったこと、同時にそれは地域的に特殊で例外的な事例ではないことを明らかにした。一般に里山といえば、日本の自然環境の原風景を示すものとして牧歌的に受け止められやすいが、その現実は過剰利用によって荒廃した山林で構成されていたという事実は一定の社会的意義を有する知見であると考えられる。さらに石材採取にともなう低植生の問題、山地の荒廃にともなう災害のリスクに対応する在来知の生成など、新規の研究課題が数多く見出された意義も小さくないと考えられる。
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