研究課題/領域番号 |
18K01187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
大杉 高司 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10298747)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 文化人類学 / ヤスニITTイニシアティブ / 原油 / 贈与 / フェティシズム / 部分的つながり / 自然契約 / 人新世 / 地球温暖化 / 排出権取引 / 計量 / フェティッシュ / エクアドル / 人類学 / ヤスニITT / ヤスニITTイニシアチブ / ヤスニITTイニシアチブ / 持続可能性 / 投機性 / 指標 / 計量化 / 比較 / アンデス地域 |
研究成果の概要 |
本研究は、エクアドル共和国がアマゾン地域のヤスニ地区に埋蔵する原油を採掘せずに地中に留めることに対して国際的補償を求めたヤスニITTイニシアティブを研究対象とし、それを人類学における贈与論とフェティシズム論の枠組みから分析することで、本イニシアティブが持っていた潜在的可能性を明らかにする。 調査と分析を通じて、本イニシアティブが、自然からの本源的な贈与を反復する「譲渡不可能なものの譲渡」であり、「原油を地中に留める」ことがもつ価値の多層性と複数性を示しながら、贈与と市場交換、南と北、自然と人間のあいだの部分的つながりを体現する可能性を秘めていることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人新世の時代に、地球温暖化抑止の方策を模索することは喫緊の課題となっている。本研究が着目したヤスニITTイニシアティブは、既存の排出権取引あるいはその延長線上で模索されるREDD+(森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減)の問題点を乗り越える試みとして注目される。本研究は、政治生態学や生態経済学(または環境経済学)とは異なる視点から、とくに先住民社会で頻繁に観察されてきた贈与行為やフェティシズムと比較検討することで、本イニシアティブのこれまで見逃されてきた潜在的可能性を明らかにした点で学術的、社会的意義を有する。
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