研究課題/領域番号 |
18K01204
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 国立民族学博物館 (2018-2019) |
研究代表者 |
盛 恵子 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 特任研究員 (30566998)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ニアセン / セネガルのイスラーム神秘主義教団 / 男性を指導する女性指導者muqaddama / 首都ダカールへの移民の増加 / イブラヒマ・ニアスとスーフィー教団 / 女性の地位向上 / サールム地方のカオラック / 男性指導者muqaddamの不足 / ニアセン(Niassene) / 男性を指導する女性指導者(muqaddama) / 男性指導者(muqaddam)の不足 / イスラーム / スーフィー教団 / セネガル / 女性の宗教的権威 / ガーナ / サラフィズム / スーフィズムとサラフィズムの対立 / アフリカのイスラーム / ニアセン教団 / スーフィズム / 女性 / 男女の平等 / 宗教指導者 / イスラームにおける女性の権利の発展 / ジェンダー |
研究成果の概要 |
セネガルのニアセンは、スーフィー教団であるティジャーニー教団の分派であり、そこには女性指導者がいる。ニアセンの創始者イブラヒマ・ニアスは、神の前では男女の区別は存在しないと考え、また女性に女性を指導させることによって男女の隔離を厳格にするために、女性に指導者となる免許を与えた。ニアスの娘たちは指導者として海外に赴いて現地の女性の間にニアセンを広め、教団の拡大に大きく貢献した。 首都ダカールでは都市化と移民の増加に伴って、2000年頃からニアスの娘ではない女性指導者たちの活動が目立つ。男女の隔離が行われない現代のダカールで、彼女たちは各自が100人を越える男女の弟子を持ち、名声を享受する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本には、イスラームは女性を男性に対して劣位に置き、女性に対して指導権、特に宗教的指導権を認めない抑圧的な宗教であるという通念がある。本研究の成果は、この通念を覆した。イスラームは、ジェンダーの完全平等を目指す西洋的なフェミニズムとは異なる仕方で、女性の尊厳と宗教的自立性を主張する宗教であることを、ニアセンの女性指導者たちの事例は示した。現実のイスラーム世界には、イスラームの名によって女性を蔑視し抑圧するムスリム諸集団が存在するが、ニアセンの立場では、それはこれらの集団のイスラーム理解の不足に由来する。本研究の成果は、欧米のオリエンタリズムの価値観を離れたイスラーム理解のための資料となる。
|