研究課題/領域番号 |
18K01222
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
|
研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
菅原 寧格 北海学園大学, 法学部, 教授 (20431299)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 熟議民主主義 / 法的思考 / 価値相対主義 / 法感情 / コミュニケーション / 法思想史 / 法の妥当根拠 / 権利 |
研究成果の概要 |
本研究は、民主主義過程で展開される熟議が必ずしも公正な結果に至るとは限らないことから、公正な結果を望む熟議の当事者に求められる理論的条件の探究を目的とした。そのため、熟議理論の源流にあたると考えられる思想に対する批判的検討を通じて、熟議当事者にとって参照可能な指針として従来とは異なる〈法的思考〉の理論的枠組を探った。本研究の結果、正義に配慮し公正な結果を望む当事者や、本人に帰責し得ない社会的マイノリティや被差別者の権利保障に資する考え方として、民主主義社会においても多数決にのみ頼らず首尾一貫した理由に基づく公正な問題解決を志向する〈法的思考〉のあり方が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、主に司法の場を想定していた従来の法的思考に代えて、熟議という政治実践に役立つ新たな手法としての〈法的思考〉のあり方を模索したものとして位置づけられる。これは、持続的に発展可能な熟議文化の実践を志向する政治学的課題に対して応答しようとするものであると同時に、法学において蓄積されてきたリソースを援用することによって政治実践における公正さを確保し補完しようとする試みでもある。熟議概念を織り成す思想史上の問題に対して検討を加えたことにより、社会的現実として展開される熟議を理論的に分析し、今後の研究の方向性を示した見取り図を提供した点も、本研究による重要な成果である。
|