研究課題/領域番号 |
18K01240
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2020-2023) 一橋大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
阪口 正二郎 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60215621)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 表現の自由 / 利益衡量 / 違憲審査基準 / 比例原則 / アメリカ / アメリカ・モデル / 絶対主義 / 範疇化 / 二重の基準 / エホバの証人 / 憲法訴訟 |
研究実績の概要 |
2019年度は、本研究の基本的な視座である、表現の自由に関するアメリカ・モデルの実体的・方法論的特殊性について検討を加え、実体的な特殊性として、差別的表現や名誉毀損の領域において表現の自由をヨーロッパ以上に強く保障する傾向があり、方法論的な特殊性として、表現の自由と公益が対立する場合の裁判所による憲法判断に関して、ヨーロッパでは比例原則という形での利益衡量がなされるのに対して、アメリカではルールに基づく「範疇化」という形での利益衡量がなされることを明らかにし、アメリカ・モデルの特殊性に関する従来の議論が没歴史的で文化論的な説明にとどまっていることを具体的に論証する論文を公刊する形で研究を取りまとめた。 2021年度以降は、これまでの研究の結果、アメリカ・モデルの特殊性について、①経済的自由から表現の自由を中心とする市民的自由に自由の主たる保護対象が、「二重の基準」論という、極端な形で変化したというアメリカ憲法理論に内在する理由と、②そうした過程においてアメリカがファシズムや共産主義といった「全体主義」国家との対立を余儀なくされたという外在的理由の、双方が重大な影響を及ぼしているとの知見を得て、そうした観点からの分析を行っている。 2022年度、2023年度は、当時の研究者や裁判官の議論を分析し、①に関して、なぜ、そしてどのようにして「二重の基準」論という議論が登場したのかを、②に関して、どのように「全体主義」国家とは異なるアメリカの自由のありようを描き出すという問題意識が形成されていったのかを、明らかにする研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究が設定した主たる課題は、以下の三つである。①比較憲法学の分野において、表現の自由に関するアメリカ・モデルの実体的・方法論的特殊性が具体的にどのような形で指摘されているのかを明らかにし、②そうした指摘の妥当性を、連邦最高裁の表現の自由に関する判例を素材に分析・検討する。ここまでの研究で、表現の自由に関するアメリカ・モデルの真の特殊性を確定する。これを踏まえ、③アメリカ・モデルの特殊性に関するこれまでの説明が没歴史的で文化論的な説明にとどまっていることを指摘し、アメリカ・モデルの特殊性は、モデルが形成された当時のアメリカ憲法理論、表現の自由論を取り巻く内的・外的状況に注目しないと説明できないことを明らかにすることである。 現在、本研究は、①、②の課題を概ね終えて、③の課題に取り組んでいる。しかしながら2019年末に病気を発症し2020年10月までの長期入院を余儀なくされ、退院後も身体に障がい(等級は3級)が残り、現在に至るまで加療とリハビリをつづけているため、研究の進行がやや遅れており、研究期間を2年延長した。 ただ身体は少しづつではあるが回復傾向にあり、研究を可能な限り完成に近づける予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に、研究の遅れに対応すべく、検討の主たる対象の事例を、主にエホバの証人に関する憲法問題に限定した。この時期、エホバの証人による集会やパレードの規制、エホバの証人に対する国旗敬礼の強制という問題は、当時のアメリカにおいて、表現の自由、ひいては市民的自由をめぐる憲法問題の主たる争点であった。そのため、検討の主たる対象の事例をこのように限定しても、本研究の主たる目的は十分達成可能であると見込まれる。
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