研究課題/領域番号 |
18K01280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 追手門学院大学 (2022) 長崎県立大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
福島 涼史 追手門学院大学, 准教授 (70581221)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 入国管理 / 法治国 / 法の支配 / 人道的要請 / 世論 / コントロール / 三権分立 / 法治主義 / グローバル法 / 国際法 / 国際法と国内法 / 緊急事態 / 法治国(法治主義) / 国際法の履行確保 |
研究実績の概要 |
今年度も引続き、入国管理分野を焦点として、憲法・国内法と国際法との重畳ゆえの国内機関相互のコントロールのあり方を描き出した。まず、領域主権概念をA)モノとして所有―dominium、B)取引の材料―do ut des、C)人の支配の副次・派生―ipmerium、D)国家の部分―territorial integrityの4類型に整序した。その上で、A、B、Dのタイプの主権概念は自然法や慣習法、さらに、国家論の観点から是認しえないことを説いた。対して、有名なパルマス島判決の法理、すなわち、人々の保護のために便宜的に権能を割振られ、委任されたものとしてのタイプCの領域主権のみが妥当することを論証した。加えて、この人の保護という目的こそが、行政機関の判断に対して、議会、裁判所が検証を行う最上位の基準・根拠であることを明らかにした。これらの全体を「入国管理のグローバル法―領域主権に沮まれた移動の自由の回復」として研究報告・原稿にまとめた。 世論に表出される人道的要請は、国内機関の中では、議会が敏感に汲み取り、さらにその代弁を果たすことに着目し、領域というジャンルの衝突事例であるコルフ島事件に光をあてた。従来この事件はイタリアが行った事実上の戦争のケースと色づけされ、第二次世界大戦後の武力行使禁止の画期性を引き立たせる前史として扱われてきた。しかし、内実を探れば、イギリス議会が自国の行政に絶えず働きかけ、カーゾン外相とセシル国際連盟大使がそれに応えて、事態を国際法と連盟の制度に沿わせようとしたイギリスの政治力の営為が見て取れる。これらのプロセスを、伝統的な復仇が国際連盟の枠組みにおいて昇華される法的議論として整序し、「コルフ島事件(1923年)における国際法の多層性―囲い込まれた復仇」として公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症時期の中盤は各国でもオンラインのフォーラムなどが多く開催されていたが、終盤は海外ではそれまでの対面活動が戻り、現地に向かわなかければならない形態が増えてきた。これに対して、日本国内では、感染症対策が引続き維持され、海外渡航が事実困難であった。 国内の研究会はハイブリッド形式が増え、オンライン参加のみならず、現地に出向いて、密に情報収集や議論をできた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年5月以降は海外渡航などが可能になるのではと考える。幸い、最後の延長を認められたので、是非とも当初の計画どおりに各地に出向き、調査を行いたい。分担者として国際法分野と憲法分野それぞれの科研費研究に参画することができるようになったので、この機会を活かし、両研究の内容を当該研究に反映させたい。具体的には現在の国際機関の立場のみならず、歴史的な変遷に視野を広げ、参照すべき国際基準自体の変遷も研究対象としたい。同じく、純粋法学のその後の変化、また、受け止められ方の変容を視野に入れ、最新の純粋法学理論において、コントロールがどのように位置づけられるか、また、どのように機能するかを特定したい。
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