研究課題/領域番号 |
18K01327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤原 正則 北海道大学, 大学院法学研究科, 特任教授 (70190105)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高齢社会 / 生前処分 / 継伝処分 / 特定相続 / 寄与分 / 配偶者(短期)居住権 / 遺留分 / 継伝承継 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、わが国の相続法制度を高齢社会との関係で考察すること、加えて、ドイツ法との比較で検討することである。そのために、わが国の相続法改正の幾つかの制度を検討し、それと類似した内容を有するドイツ法の制度の比較を出発点とした。 その上で、今年度は、主に、ドイツ法上の予防法学である先取りした相続(vorweggenommen Erbfolge)、および、寄与分、それも、特に、介護事例における寄与分制度のあり方に焦点を当てて検討した。 前者に関しては、贈与・相続法制度の違い(ドイツ法では、贈与税率と相続税率が同じ。贈与税と相続税の税控除措置が同一であり、しかも、10年以上の間隔が開いていれば税控除措置を複数回利用できる)は大きいと考えられる。ただし、わが国でも、遺留分制度の改正(金銭債権化、猶予期間の創設、配偶者に対する生前雑徭に関する特別受益の持戻しの免除の推定など)で、予防法学的な対処は徐々に可能になりつつあると考えられる。 後者に関しては、従前のドイツ法では、介護事例での寄与分は、「職業上の収入を放棄して、長期間介護したこと」が要件となっていたが、現在は、以上の厳格な要件を削除している。その背景は、介護保険による現金給付であり、現金給付を認めるに当たって、介護金庫が隣人・親族などの介護労働の品質のコントロールを行い始めたことだと考えられる。以上に関しては、わが国では、介護保険の給付は、サービス給付、現物給付に限られるが、他方で、今回の相続法改正で、特別寄与料を認めるに至った。したがって、近親者の介護をどう評価するのかが、ある意味では、ドイツ法と共通する背景の下で、問題となったとも考えられる。 以上の問題を中心に、上記の2つの問題以外の、高齢社会で重要な機能を果たすと考えられる、(ⅰ)配偶者(短期)居住権、(ⅱ)遺留分制度の全般に関して検討を行った。
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