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企業間取引におけるフォーマル・ルールとインフォーマル・ルール

研究課題

研究課題/領域番号 18K01338
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分05060:民事法学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

清水 真希子  大阪大学, 大学院法学研究科, 教授 (50302641)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワードソフトロー / ハードロー / 民事法 / 規制手法 / ビジネスと人権 / ガバナンス / インフォーマルルール / プリンシプル / ベストプラクティス / 企業法 / トンランスナショナル・ガバナンス / 私法 / 規制ミックス
研究実績の概要

本研究は、次の欄に述べるような研究の進展の結果、現在、フォーマル・ルールとインフォーマル・ルールを理解するという研究目的のため、企業の社会的責任やサステナビリティという視点から企業のガバナンスについて検討しようとしている。
この分野では、これまでに多くのソフトロー(インフォーマル・ルール)が、公私のさまざまな性質の異なる主体により、国際、域内(EU)、国内など異なるレイヤーで生み出されている。そして、それ自体で、または相互に関連して、企業のガバナンスに強い影響力を持ったり、ハードロー(フォーマル・ルール)の策定に影響を与えたりしている。たとえば、ビジネスと人権の分野では、法的拘束力を持たない国連のビジネスと人権に関する指導原則が、2011年の成立後、急速に影響力を持つようになり、OECD多国籍企業行動指針等に影響を与え、近年、EUをはじめとする複数の法域での法の制定にも影響を与えた。日本では政府によるガイドラインが策定されたところである。また、ESG投資(サステナブル・ファイナンス)が増加して、企業に対する市場による規律が強まり、非財務情報の開示や評価に関して、多くののソフトロー、ハードローが形成されている。企業の社会的責任やサステナビリティの分野では、こうした規範が多様に絡み合って、企業のガバナンスを生み出している。
2023年度は、ガバナンスの全体像をつかむために、特にEUの動向に注目し、上に述べたような状況について詳細に把握する研究を行った。また、研究成果の一つとして、企業のサステナビリティに関するデューディリジェンス実施についての責任およびサステナブル・ファイナンスに関して、EUと日本を比較しつつ論じるセミナー発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、当初、企業取引を題材として、インフォーマル・ルールとフォーマル・ルールが社会秩序を生み出す仕組みについて検討することを目的としていた。しかし、検討を進める過程で、企業間取引ではなく企業のガバナンスを切り口とする方が、目的に即して有益であると考えるに至り、とくに企業の社会的責任やサステナビリティという視点で企業のガバナンスについて検討するという方向に研究の方向性を変更していたところである。企業間取引もインフォーマル・ルールとフォーマル・ルールが交錯する場面であるが、個別性が強く、また外部からの観察が難しいという研究上の難点があるのに対し、社会的責任やサステナビリティという観点での企業のガバナンスに関しては、近時、ソフト、ハードな規範が多数出現して活発な動きがあること、さらには、各種の規範の内容や相互関係、また企業を規律するロジックやメカニズムについて外部から理解が可能であることがその主な理由である。
2023年度は、2022年度に引き続きこの方向で調査を進めた。このテーマは、非常に動きが速く、また、多くの学問領域にまたがっているという特徴がある。2022年度は主に民事法の領域で検討するにとどまっていたが、2023年度は調査の範囲を広げ、民事法学以外の学問分野の文献や、実務家を中心としたシンポジウム等を通じて知見を広げ、検討を深めた。

今後の研究の推進方策

2024年度は、2023年度までに進めてきた研究をそのまま進めていく。「サステナビリティ」は、近年のコーポレートガバナンス・コード等でも言及されるなど、コーポレート・ガバナンスと密接に関連する。しかし、会社法の分野でのこれまでの議論におけるこの概念の理解は、他の学問分野を含めた国際的な潮流に照らすと、十分に正確なものではないように思われる。そこで、2024年度はまず、「サステナビリティ」およびそれと密接に関連する「企業の社会的責任」という概念について、その歴史的展開を踏まえて把握する研究を継続する。
上記の研究を進める過程で、これらの概念に関連して時期を追って現れた各種のインフォーマル・ルール(ソフトロー)やフォーマル・ルール(ハードロー)を把握する。そして、本研究の当初の目的に立ち返り、相互の関連性や組み合わせ、競合、実効性等について検討したい。

報告書

(6件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 2018 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ソフトローが働く具体的な場面――商取引分野2021

    • 著者名/発表者名
      清水真希子
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 497 ページ: 25-28

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [雑誌論文] プリンシプル・ベースの規制について――金融規制を対象として2020

    • 著者名/発表者名
      清水真希子
    • 雑誌名

      法曹時報

      巻: 72巻8号 ページ: 1-34

    • NAID

      40022307177

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 企業グループにおける法令遵守体制整備と親会社の責任(平成30.2.15最高一小判)2020

    • 著者名/発表者名
      清水真希子
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1542 ページ: 126-129

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 民事におけるソフトロー2019

    • 著者名/発表者名
      清水真希子
    • 雑誌名

      法学セミナー

      巻: 776 ページ: 30-34

    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] Corporate Sustainability Due Diligence and Sustainable Investments: Companies at the intersection of two mechanisms to address sustainability issues2023

    • 著者名/発表者名
      清水真希子
    • 学会等名
      京都大学・ウィーン大学共同セミナー2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ハードローとソフトロー、ソフトローとソフトローのせめぎあい―日本のコーポレートガバナンスを素材として2022

    • 著者名/発表者名
      清水真希子
    • 学会等名
      日本法社会学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2018-04-23   更新日: 2024-12-25  

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