研究課題/領域番号 |
18K01352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
瀧 久範 関西学院大学, 法学部, 教授 (40508636)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 不当利得 / 不法原因給付 / 契約 / 公序良俗 / 一般予防 / 抑止 |
研究実績の概要 |
2022年度は、不法原因給付の返還遮断の可否について、PECL等の国際的モデル準則で示された、わが国の民法708条および判例学説のアプローチ(原則遮断アプローチ+要件アプローチ)とは異なるアプローチが、各国法の解釈論にどのような影響を与えているかを分析することによって、あるべき判断枠組みとそれを支える原理を析出する一環として、オーストラリア法およびニュージーランド法における議論を検討した。 ニュージーランド法は、1970年違法契約法(Illegal Contracts Act 1970)を有しており、不法原因給付に関する同7条について判例学説を検討した。そこでは、裁判官には、同条が定める諸要素に基づく「構造化された裁量」が認められており、違法な契約において一方のみの履行によって生じた当事者間の不均衡は、まずもって契約を有効として反対給付を強制することにより是正することが試みられ、なお無効と判断すべき場合には、有効性判断において明らかとなった価値判断に基づいて、不法原因給付の返還遮断の可否が決せられている。 オーストラリア法もまた、一貫性(coherence)という原理のもと、裁判官に裁量を認めており、判例において、PECLやPICCが定めているのと同様の諸要素に基づく「構造化された裁量」が認められている。ここでもニュージーランド法と同様、まずもって契約の有効性判断において、当事者間の利益変動に対する価値判断が行われ、無効と判断された後もそれと一貫させる形で、不法原因給付の返還遮断の可否が決せられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
オーストラリアでの在外研究が1年延期されたため、オーストラリア法の分析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きオーストラリア法を中心に英米法の分析を行い、日本法との比較検討を行う。
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