研究課題/領域番号 |
18K01352
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
|
研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
瀧 久範 関西学院大学, 法学部, 教授 (40508636)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 不当利得 / 不法原因給付 / 給付利得 / 一般予防 / 公序良俗違反 / 契約 / 公序良俗 / 抑止 |
研究実績の概要 |
今年度は、ドイツ法の検討を行った。とくにドイツでは、近時違法なオンラインギャンブルに関する裁判例が続出しているため、これらの分析を行った。 オンラインギャンブルでは賭金の支払にクレジットカード等の支払サービスが用いられるため、プレイヤー・ギャンブル事業者・支払サービス提供者の三角関係が問題なる。プレイヤー・支払サービス提供者間の補償関係において、プレイヤー・ギャンブル事業者の対価関係がBGB134条により無効となることから、プレイヤーの支払委託も無効となり、プレイヤーが支払サービス提供者に対して675u条に基づく返還請求できるかという問題について、BGHは、原則として支払委託は無効とならないとして、これを否定した(BGH ZIP 2022, 2272; WM 2023, 2017)。次に、プレイヤーがギャンブル事業者に対して対価関係の無効を理由に不当利得返還請求できるかについて、当初はBGB817条2文により遮断されるとする下級審裁判例が出たが、まもなく同文を適用せずに返還請求を認める下級審裁判例が続出している。前者は、違法ギャンブルはStGB285条に違反するものであり、プレイヤーが故意に賭金を支払っているため、同文により返還請求が遮断されるとするが、後者は、ギャンブルに関する州間協定の保護目的は、プレイヤーを保護するためのものであり、817条2文が適用されギャンブル事業者が賭金を保有できるとすることはこの目的に反し、かつ、違法ギャンブルの継続に助力するものであると述べる。また、後者では、他の事例類型と同様、一般予防の観点も強調されている。まだBGHの判断は下されていないが、いくつかの高裁判決が上告されており、BGHの判断が待たれる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各国において、近時様々な事例類型で不法原因給付の返還請求が問題となっており、その分析に時間がかかっている。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き各国法の最新裁判例を分析し、不法原因給付の返還請求遮断の可否を決する具体的基準を提唱したい。
|